くまがやねっとは、埼玉県熊谷市近隣の情報をお届けする非営利のコミュニティサイトです。

HOME＞素敵なお家

お気に入りに登録する　お友達に紹介する

ツイート 2013年5月2日更新 バックナンバー パッシブハウスってどんな家？ 〜木製サッシ・計画換気編〜 1月から始まった北欧展示場の改修工事ですが、 現在は断熱材や窓が設置され、構造見学会が開催されました。 構造見学会の様子  大和屋ニュースでもご紹介しています。   構造見学会では、床下、天井裏など、 完成後では見られない部分をはじめ、 模型や説明パネルも見ることが出来ました。 　  国内のパッシブハウス施工例がパネルで展示されていました。 取材当日は気温１０℃の寒い日でしたが 窓付近は１６℃ありました。 今回はその中から、『木製サッシ』と『計画換気』をご紹介します。　　 木製サッシ  前回取材した時にはなかった、木製サッシが設置されていました！ 木製サッシの特徴 ≪木は熱を通しにくい≫ 　木製サッシが採用される理由に『熱に強い』事が挙げられます。 　フライパンの取っ手に使われている木から、熱せられた鉄の温度を感じないように、木は断熱性能に優れています。 　木製サッシの熱の伝わりにくさは、日本の主流であるアルミサッシの1800倍です。 　また、今回の木製サッシには、『パイン』『スプルス』と比較的やわらかい木材を使用しています。やわらかい木材は空気を多く含んでいます。空気には高い断熱効果があり、熱をブロックしてくれます。 ≪トリプルガラス≫ 　今回パッシブハウス化に向け採用されたのは、 『トリプルガラス』です。 　トリプルガラスは、3枚のガラスの間に2つの空気層があります。空気の断熱効果で熱を二重にブロックし、熱が伝わる量は限りなく少なくなります。 乾燥空気で密閉されている為、中が結露することはありません。 ≪耐水性≫ 　木製の為、外側の腐敗が心配になりますが、外部用の保護塗料＆中に雨を入れない構造で水に強くなっています。　   北欧展示場の木製サッシ  　 パッシブハウス認定を目指す北欧展示場はキッチン・トイレ・お風呂全てがこの木製サッシです。使用場所に合わせてオーダーで作られます。  戸締り ハンドルが取っ手・鍵の役割をします。 気密性が高い為、ロックには少し力がいりました。 　　　 2階の居室にある木製サッシは日本では珍しい内開き。 レバーを変えると上部開きに変えられます。 空気は上から循環するため、上側を開けることで換気効率が上がります。 ≪お手入れ≫  　メンテナンスに手間がかかりそうな木製サッシですが ・月2回の乾拭き、 ・3〜5年に1度の塗装メンテナンス が基本になります。 計画換気システム 2003年建築基準法により設置が義務化された計画換気。 従来の『２４時間換気システム』に加え、 パッシブハウス認定を目指す北欧展示場には、 『熱交換型換気システム』が取り入れられました。 計画換気システム ≪24時間換気システム≫ 　高気密な住宅は、湿気・温度のコントロールがしやすい環境になりますが、隙間のない密閉空間となる為、換気をしないと快適性が下がります。 　そのため、常に換気を行う『２４時間換気システム』が設置されています。 　２４時間換気をし続け、空気に流れ作り、計画的に入れ替えることで良好な室内空気環境を作ります。 一度入った空気は家中を二時間で循環し、排出されます。これを常に繰り返します。 居室から給気し、トイレや収納スペースから排気することで快適性が保たれます。 熱交換型換気システム 　換気は、新鮮な空気を取り入れますが、同時に外気の温度も取り入れてしまいます。外が0℃の場合、24時間0℃の空気を吸気することになり、暖房なしでは快適な温度を保つことができません。 　そこで、今回パッシブハウス認定取得を目指し採用されたのが、２４時間計画換気に加え、換気時に空調をする『熱交換型換気システム』です。 ≪換気による温度ロスを低減する、熱交換素子≫ 吸排気どちらの空気も一度『熱交換素子』と呼ばれる機械を通ります。 『熱交換素子』の中で、排気・給気の温度を交換します。  ＜冬場の例＞ 　熱交換素子を含む熱交換型換気システムの本体は、３畳の機械室を作り設置されます。 　【排気】は家中をめぐり室温を保っており、その室温を【給気】に渡すことで、室温に近い温度で給気が可能になります。 　直接外気が入らないので、冷暖房使用量削減のほか、温度差によるヒートショックも防ぎます。 ≪設備≫ 　北欧展示場に実際に設置した計画換気の設備です。 ダクトと呼ばれる緑色のホースを空気が通り、換気を行います。 　  緑色のダクト(空気の通路)が壁内・天井裏を通り各部屋へと伸びています。 給気用・排気用の2種類の機械(銀色部分)が設置され、ダクトへ空気が送られます。 ≪メンテナンスは自分で≫ 　給排気口のフィルター・本体部分の熱交換素子は、自分でお手入れが可能です。熱交換素子は年に一度シャワーで洗浄、フィルターは現在使用しているエアコンと同様に掃除します。 　紫外線劣化のない熱交換素子は、耐久年数25年とも言われています。 現場監督のつぶやき  木製サッシ担当の箕田さん 　今回使用する木製サッシは今まで扱ったことのない高性能な木製サッシで、ガラスはトリプルガラスです。 　パッシブ性能を追求すると最低でもトリプルガラスになる為、重量も半端ではありません。 　現場搬入から荷下ろし・移動の時は想像以上の重さに加え、ガラスを傷つけないよう、慎重に扱かう必要がありました。 　大工さんと協力し、レッカーも使ってゆっくりと移動。やっと納めた時は皆が安堵の表情に変わりました。 設計士の小林さん 　高性能木製サッシや、木質繊維断熱材に加え、高気密なパッシブハウスだから、今回の換気システムの性能を発揮できると思います。 　暑い熊谷で、人々が快適に過ごせる住宅を目指してこれからも勉強し続けていきたいです！ 断熱材・窓に計画換気システム。 パッシブハウスの完成が近づいてきました！ 次回は地球環境に優しい 『ソーラー給湯』や『冷暖房器具』を紹介したいと思います。 　　　　　　　　　　　　　　　 　　　　　　（協力：「森の家」　大和屋　株式会社） 　　　　　　　　　　　　　　　　　くまがやねっと　木のおはなしもご覧下さい。 取材日：2013年5月2日／取材記者：まっつん バックナンバー HOME Pageの上へ みんなのコミュニティサイト「くまがやねっと」 Copyright© くまがやねっと. All rights reserved. 運営会社：大和屋株式会社