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熊谷人物伝

歴史 地域

第163回 熊谷うちわ祭 大総代 棚澤正行さん

今回ご紹介するのは、
熊谷うちわ祭 平成28年年番町第弐本町区 大総代 棚澤正行(たなざわ まさゆき)さんです。

■プロフィール

1960年 熊谷市に生まれる。
     熊谷東小学校、富士見中学校を卒業。
     小学校3年生から高校2年生まで、お囃子会の一員として熊谷うちわ祭に参加。
     社会人となり、熊谷うちわ祭の祭事に参加。
2005年 第弐本町区 総代就任
2013年 第弐本町区 総代長就任

■うちわ祭について

21日 巡行祭

平成24年に熊谷市指定無形民俗文化財に指定され、関東一の祇園と謳われる『熊谷うちわ祭』。
熊谷の八坂神社は京都の八坂神社の末社にあたり、毎年7月20日・21日・22日に八坂神社の例大祭が挙行されます。
熊谷うちわ祭の3日間は、12台の山車・屋台が市内を練り歩き、疫病退散、五穀豊穣、商売繁盛を祈願します。
うちわ祭を仕切る最高責任者である大総代は、第壱本町区、第弐本町区、筑波区、銀座区、彌生町区、荒川区、鎌倉区、仲町区の8ヶ町が持ち回りで『年番』を受け持つ建制順で、その年の『年番』となった町内から選ばれます。


山車、屋台の運行など、詳しくは『関東一の祇園 熊谷うちわ祭』公式HPよりご覧ください。
 ※『うちわ祭』期間中の交通規制略図もご覧になれます。

■うちわ祭にむけて

「第弐本町区は『不易流行』(変えてはいけない伝統を継承しながら、時代に合わせて工夫していくの意味)を基本理念として祭に取り組んできました。
一般の方も参加可能な『うちわ祭大学2016』(7月9日)の開催、山車・屋台曳きを体験できる『山車・屋台曳き参加証』の配布、小学生以上のお客様を対象としたお囃子体験、神輿体験(先着順)を行うなど、たくさんの子供さんに参加していただける催しを準備しています。
近年、祭に関心を寄せる外国からのお客様も増えています。国際交流の場として『熊谷うちわ祭』に楽しみながら参加していただけるよう、『魅せる山車祭』を基本方針として祭に臨みます。
前年年番町、第壱本町区の思いを引き継ぎ、伝統を継承しながら第弐本町区らしい『熊谷うちわ祭』を演出していきたいと考えています。熊谷市指定無形民俗文化財の名に恥じることなく、厳粛な神事・祭礼、そして華美勇壮な祭をおこない、万全の準備、安全対策をもって、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。」
(棚澤正行さん)

■2016年のテーマは『魅せる山車祭』

熊谷うちわ祭は伝統的な神事と、山車・屋台の巡行や曳っ合せ叩き合いなどの神賑祭が見事に融合したお祭として発展してきましたが、うちわ祭に山車が登場したのは意外にも明治に入ってからになります。
明治24年(1891)に第弐本町区(本三四)が江戸神田、紺屋の個人所有する山車を買い受けたことに始まり、第壱本町区、筑波区、他町区が山車・屋台を取り入れ、現在の神賑行事の形となりました。


『魅せる山車祭』というと、山車・屋台が並んで早いテンポでお囃子を叩き合う曳っ合せ(ひっかわせ)叩き合いの勇壮な姿を思い浮かべる方が多いと思います。
迫力ある叩き合いも熊谷うちわ祭の醍醐味といえますが、12台の山車・屋台が揃って行う巡行祭の華麗な曳き回しは一見の価値ありです。熊谷山車の一番の特徴、舵のある三輪式台車ならではの曳き回しによって、群衆の中の狭い空間でも見事に山車・屋台を並べることができるのです。この時に注目したいのが、山車・屋台の前方下にある梶席。運転手のように梶方が座り、前方の小さな車輪を足でまたいで操作します。山車・屋台の屋根が当たらないすれすれの間隔で山車を並べるのですが、梶席から側面の屋根を見ることはできません。まさに、梶方の職人技ですね。

21日の巡行祭の行宮参りでは、山車・屋台を90度回転させて行宮に向きを変え、幣束を受ける姿は曳っ合せ叩き合いとはひと味違う厳かな姿を見ることが出来ます。
各町区の山車・屋台の見事な彫刻、彫金などの装飾にも注目してみると、より一層、祭の魅力を感じることができることでしょう。

■熊谷うちわ祭 ここの注目!

熊谷山車に注目!
熊谷うちわ祭、最初の山車となる「戸隠山車」は、天保年間の製作とされ、天手力男命(あめのたじからおのみこと)の人形を戴いています。この人形は、江戸・深川の名工・二代目仲秀英の作と伝えられています。昭和43年に熊谷市有形文化財に指定されました。
熊谷山車の原型ともいえる「戸隠山車」。祭の観客が山車を見上げた時に美しく見えるように部材の太さをかえるなど、いたるところに作りの素晴らしさが見て取れます。
また、天手力男命は天照皇大神のお隠れになった天岩戸を開けた神様ですが、神話になぞらえて昼間だけ鬼板の上に鶏(常世の長鳴鳥)が飾られます。鬼板に動物が乗っているのも珍しいので、注目してみてください。

ステッカー見本

山車・屋台曳き参加証を貰って、あなたも参加しましょう!
うちわ祭期間中、山車・屋台の周辺に襷がけをした曳き綱係が居ますので、『山車・屋台曳き参加証』(ステッカー)をもらって、各町区の山車・屋台の綱曳きに参加してみましょう。
21日にコニュニティ―広場で開催されるお囃子体験、神輿体験(小学生以上・先着順)にはこのステッカーを見せると参加することができますので、曳き綱係に声をかけてステッカーを手に入れましょう!
※混雑時には参加できないことがあります。ご了承ください。

戸隠山車の絵(設計図)が描かれた扇子

うちわ祭大学2016 開催!
2016年7月9日(土・14:00~16:30)熊谷市立文化センター文化会館ホールにて「うちわ祭大学2016」を開催します。
第1部「熊谷うちわ祭の歴史について」熊谷うちわ祭協賛会会長 藤間憲一さん、「神事の作法」八坂神社 権禰宜 長谷川洋美さん、第2部「江戸祭と熊谷うちわ祭・山車人形について」株式会社吉徳資料室室長 林直輝さんをお招きして講演を行います。
一般の方の参加可能(受付13:30~、先着500名)。
熊谷うちわ祭に関する珍しいお話が聞ける数少ない機会です。ぜひ、ご参加ください。


熊谷うちわ祭展開催!
お祭期間中、NTT東日本熊谷本町ビル(赤レンガの建物・熊谷市本町2丁目73・熊谷市役所入口交差点)1階フロントで『熊谷うちわ祭展』を開催します。
会場には、熊谷うちわ祭秘蔵の写真、江戸時代の人形の衣装や装身具や飾り幕、各町区の浴衣や袢纏などを展示。普段、見ることのできない貴重な品々を見ることができます。

■熊谷うちわ祭日程

山車・屋台の運行や年番送りなどは例年通り(変更の可能性あり)。
露店は、20日夜、21日・22日の出店となります。

7月20日の見どころはこちらからどうぞ。
7月21日の見どころはこちらからどうぞ。
7月22日の見どころはこちらからどうぞ。

■第163回 熊谷うちわ祭 大総代 棚澤正行さんのスポット写真

7月22日 年番送り
写真提供:秋山俊介氏
21日 巡行祭
銀座での叩き合い
20日 熊谷駅前叩き合い
21日 八木橋前叩き合い
20日 大うちわ伝授セレモニー
21日 巡行祭
20日 着輿祭
22日 駅前3町叩き合い
第弐本町区会所にある神酒枠

作成日:2016/07/19 取材記者:なべさん