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2007年7月5日更新 →バックナンバー
今回の趣味 二つの国を持つこと


 留学や仕事で海外にすんでいる方にメディアを通した目ではなく、ご自分で見たこと、聞いたことを伝えていただくコーナーです。
 第13回目はニューヨークから帰国したひろこさんです。

 今回は4年間の留学生活を通して学んだ「二つの国をもつこと」についてお話ししたいと思います。


国際化する日本へ
二つの国を持つこと
渋谷駅前

 
 私は日本人として生まれ育って外国での学校生活にあこがれてニューヨークへいきました。しかしある程度アメリカ文化に慣れ親しんでくると思うことがあります。それは「二つの国をもつって結構大変!」ということです。
 「渋谷や新宿に年々増えていく外国人の数」というのは日本に帰ってくるたび驚くことです。でも今回帰国してびっくりしたことは彼らが観光目的でいる人だけではなく、多くの人が日本に住み、働き、学校に行っているということです。
 そこでみなさんに「二つの国をもつこと」について書くことでこうして年々増え行く外国人の方々に理解を深めることができるのではないかと思いました。



二つの生活
二つの国を持つこと 二つの国を持つこと
    浅草寺。                 マンハッタンにて。
                         大手証券会社Lehman Brothersのビルです。

  
 二つの国をもっている人たちは二つの言葉、二つの文化、二つの自分をもっているといえます。例えば日本語と英語。日本語では英語の「ハウアーユー?」にあたる挨拶ってほとんど交わしませんよね。でも英語だとハウアーユーを誰に対しても言うので知らない人とも容易に打ち解けられます。でも日本に帰ってきてそれがないと人と交流するきっかけが減り少し寂しいです。
 一方で英語には日本語の趣き深い言葉などが少ないかもしれません。日本には謙遜語も尊敬語もあり、礼儀があり、そういう伝統があることは美しいと思いますし、それが普通である自分にはアメリカでおおよそのことがカジュアルにすんでしまうのは少し物足りなくもあります。そのように文化にも片方にあるもの、もう一方にはないものがあります。つまりどっちの国にも慣れると言語や文化の特徴にあわせて二つの自分ができて、日本っぽい自分がアメリカでは発揮できなかったり、またはアメリカっぽい自分が日本ではだせなかったりと、もどかしくなることもあります。また、どっちの文化にも中途半端なため、自分がどちらにも属さないと孤独を感じることもあります。それが二つの国をもつ人の悩みということがよくあるのです。



アジアンアメリカン
 アメリカで生まれたアジア人の友達がたくさんいます。彼らに会って驚いたこと、それは彼らが両親と話す時、両親はアジアの言葉で彼らに話しかけて、彼らは英語で答えるということです。以前韓国語の授業をとっていたとき、多くの生徒が韓国系アメリカ人でした。彼らは両親と韓国語で話したいという理由でクラスをとっていたのでした。やはり英語で受け答えをするだけでは伝わらない親子の交流があるようです。よく、アジアンアメリカンの子たちはそういった自分とは何かということで悩む時期が特に思春期にあるようです。アジアの文化とアメリカの文化は特に違うので余計に二つの文化を一人の人間がもつということは大変なのかもしれません。

二つの国をもつこと
大学の友人。
中国、台湾、韓国、日本系のアメリカ人、ヨーロッパ系、アフリカンアメリカン系、
韓国とイギリス人のハーフ、日本人とアフリカンアメリカンのハーフ、
中国人とヨーロッパ系のハーフの子たちです。

  
 もちろん二つ以上の文化、言語、自分をもつって多様性があってすばらしいことです。留学する前の私はそのことしか知らなかったと思います。それも事実ですが、もう一つの事実、苦労や困難も二つ以上の祖国をもつ人にはあると知っておくことはこれからのより国際化のすすむ日本で必要なことかもしれません。



取材日:2007年6月25日/取材記者:ひろこさん


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