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熊谷人物伝

第112回　根岸家　17代目当主
　　　　　　根岸友憲さん　（ねぎしとものり）

2011年4月9更新

根岸家17代目当主、根岸友憲氏

　今回は、根岸家17代目当主、根岸友憲氏をご紹介する。
　根岸氏は埼玉県旧大里町冑山生まれ。昭和39年に大学を卒業後、大手企業に勤務。平成2年に退社し、その後、不動産管理会社役員、そして、現在は社長として会社経営をしている。
　生家が江戸時代、代々名主を務めた豪農であり、根岸友山の生家であったことから歴史についての造詣も深く、又、父根岸喜夫氏が特に歴史や文化財に対し保護や研究をしていたことに影響を受け、歴史の研究とその普及啓発に取り組んでいる。
　幕末から明治にかけ、日本史に大きな足跡を残した親子２人、根岸友山氏、武香氏は郷土の偉人として知られている。
・根岸友山（Wikipedia　フリー百科事典）
名主として活躍する一方、尊王攘夷派の志士として浪士組に参画する。また、屋敷内には私塾「参余堂」と道場「振武所」を開設し、近郷の青年たちに文武の就学を図った。

・根岸武香（Wikipedia　フリー百科事典）
友山の二男として生まれ、明治12年県会開設とともに県会議員、翌年第2代議長となる。明治27年には貴族院多額納税者議員となる。他方、考古学や歴史学に造詣が深く、吉見百穴の発掘と保存に努め、さらに文化活動の振興を図った。

おりおり写真紀行　第56回　豪農冑山根岸家の長屋門

根岸家長屋門

根岸家について

　『根岸家の先祖は武士。戦国時代小田原北条氏配下の松山城主上田氏に仕える。敗戦後冑山に土着帰農。江戸時代中期より急速に資産を蓄積、後期には当地方きっての豪農となる。享保元年（1716年）より代々名主職を引き継ぐ。友山は11代目当主。地主業の他、質屋、酒造業、舟運業、商業（江戸）を営む。地元冑山の65％の土地を所有、息子武香の頃は、田畑山林合計132町歩、小作人210名、使用人20名、江戸屋敷2軒、倉庫2棟、家の敷地3町5反歩を所有した。』
（大里町歴史研究会発足１０周年記念　特別号　郷土の偉人根岸友山とその子武香から抜粋。）
　「根岸家が存続した最大の理由は地域住民との共存共栄を図ったこと。災害時には私財を投じてその救済に当たり、また名主として水利、水防、道路整備などに尽力した。その偉業は今も残っている。」と斉藤重郎氏（根岸友山・武香顕彰会顧問）は語る。

根岸武香貴族院退院記念の寄せ書きの一部。
（クリックすると拡大します。）

第5回　友山まつり　開催
　2011年4月30日（土）10時～15時に根岸家長屋門前(熊谷市胄山152)にて友山まつりが開催される。（くまがや市商工会大里支所主催）
　根岸友山と息子武香の特別展がきっかけとなり、それからは毎年自宅を開放し友山まつりに協力している。
　友山まつりは、地元の名士『根岸友山・武香』を広くPRすることを目的とし、根岸友山・武香顕彰会会員による根岸友山・武香の紹介、大正琴の演奏、胄山散策マップ作成・配布（無料）、竹の子狩り（有料先着順）、模擬店コーナー（竹の子ご飯、おまんじゅう、パウンドケーキ等）出店等、充実した内容になっている。

『根岸友山・武香の軌跡
～幕末維新から明治へ』
（さきたま出版会）

くまがやねっと　熊谷人物伝　根岸友憲さん

三余堂で使われていた香炉

これから
　「昨年、熊谷市指定文化財長屋門の修復工事（熊谷市補助事業）も終了し新しく友山・武香ミュージアムを開設。入場無料で一般公開し冑山から根岸友山、武香という人がでたことをもっと知ってほしいと思う。そのためにも、より一層、歴史研究、普及に力を注いでいきたい。」（根岸友憲氏）

編集後記
　取材は、根岸友憲氏ご夫妻と、根岸友山・武香顕彰会顧問の斉藤重郎氏が対応してくれた。根岸友憲氏の奥様は高校時代、
考古学部に所属しており、「まさか自分がこういう家に嫁に来るとは思わなかった。もっと勉強しておけばよかった。」と冗談まじりに話し、斉藤氏は「奥さんも歴史に興味がある。そういう理解のある方なので、我々も来やすいです。」と根岸友山・武香顕彰会の親交の深さを感じた。

　　　御用札　　　　　　　　　北辰一刀流兵法箇条目録　　　　　　　　北辰一刀流兵法箇条目録

　　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　根岸家長屋門と桜

取材日：2011年3月31日／取材記者：みいちゃん

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