くまがやねっとは、埼玉県熊谷市近隣の情報をお届けする非営利のコミュニティサイトです。
くまがやねっと
みんなのコミュニティサイト「くまがやねっと」へようこそ!
HOME>特集 熊谷人物伝 →お気に入りに登録する →お友達に紹介する




特集
バックナンバー
 熊谷のことをもっと知りたい!!
今回の知恵 熊谷人物伝

第151回 中田 迪さん(なかだ すすむ) 2013年6月3日更新


 今回は、民族芸能『獅子舞』をライフワークで撮っている中田迪さんをご紹介します。
熊谷人物伝
中田迪さん
<プロフィール>
1936年 熊谷市に生まれる。
1973年 埼玉県養蚕農業協同組合連合会、
      『蚕糸の光』編集担当をはじめる。
1974年 現代美術家協会(現展)初出品。
1989年 現代美術家協会会員に推挙される。
1995年 埼玉県養蚕農業協同組合連合会退職。
1997年 現代美術家協会(現展)で会員奨励賞受賞。
2011年 熊谷市美術家協会会長就任。


 『第69回 現展』開催中!
 2013年5月29日〜6月10日まで、国立新美術館にて、『第69回 現展』を開催しています。
 独創的で個性豊かな作品が多く出品される展覧会。是非、ご覧ください。
  ●会  場 : 国立新美術館(東京都港区六本木7−22−2)
  ●会  期 : 2013年5月29日(水)〜6月10日(月) 午前10時〜午後6時(6月4日・火曜休館)


<写真をはじめたきっかけ>
 中田さんが写真をはじめたきっかけは、勤めていた埼玉県養蚕農業協同組合連合会で配属された、指導課教育情報係で編集していた『蚕糸の光』の編集担当者として、記事に載せる写真を撮影したことがきっかけです。当時は、フィルム1本(36枚・モノクロフィルム)を撮ることが日課でした。
 その後、記事の中で石仏(羅漢)を撮る機会があり、石仏に魅かれて作品を撮るようになりました。
<出逢い>
 石仏を題材とした作品で埼玉県美術展(県展)に出品後、全国展である「現代美術協会展(現展)」へ出品するなど、活動の場を広げていた時に、撮影で訪れた『秩父札所4番 金昌寺』で、現代美術家協会会員・山本敏雄氏(故人)との出逢いがありました。
 石仏を撮る心得として、石が物を言うように、光と影の中から命ある映像を撮るということを教えていただいたそうです。
<写真の難しいところ>
 編集担当をしていた時には、『1枚の映像で真実を伝える写真』を撮ることを心がけて撮影していたそうですが、作品としての写真を撮影する時には、『一瞬のカットで文章では表現できない事を写真で伝える』ことを心がけているそうです。「作品には主役と脇役がいて、どのように主役を引き立て、全体のバランスをとるかということを常に考えながら撮影している」と中田さん。
 作品を撮るようになり、『真実を伝える写真』と『作品としての写真』を切り替えて撮るのに大変苦労したそうです。

<石仏から獅子舞へ>
  中田さんが獅子舞を撮りはじめたのは、今から30年前。
 『蚕糸の光』の記事で『村の祭り』というシリーズを担当し、県下の獅子舞を撮りはじめたのがきっかけでした。
 獅子舞は『五穀豊穣、疫病退散』を祈願するために奉納する奉納舞で、埼玉県では主に三匹獅子舞が舞われています。
 中田さんは三匹の獅子が庭場を勇壮に舞う姿に感動し、撮り続けていこうと決め、現在は熊谷市指定無形文化財の獅子舞を主に撮影しているとのことです。
熊谷人物伝
「 白刃の舞い」 東秩父 朝日根 2012年11日3日撮影



<熊谷市指定無形文化財>
 熊谷市には無形文化財に指定されている獅子舞をご紹介します。
 名    称    所在地  管 理 者 公 開 日
 獅子舞  古宮神社  池上  池上獅子舞保存会  5月5日(疫神祭)、
 8月28・29日(例祭)
 恩田のささら獅子舞  諏訪神社  下恩田  下恩田ささら獅子舞保存会  8月27日
 須賀広秋祭り「ササラ」  八幡神社  須賀広  須賀広秋祭り「ササラ」保存会  例年10月14日・15日
 押切ささら獅子舞  八幡神社  押切  押切ささら獅子舞  例年10月第2土曜日



<獅子舞の魅力>
 伝承される獅子舞の中に『女獅子隠し』という演目があります。2頭の雄獅子が1頭の雌獅子を奪い合う三角関係の舞で、最後には雄獅子同士が和解して3頭の関係は元通りになりハッピーエンド。
 この獅子舞は、争いごとがあっても「地区の人々が穏やかに、世の中が穏やかに」なることで、『五穀豊穣、疫病退散』に繋がるということを説いています。
 この他にも、真剣を使って悪魔祓いをする『太刀懸(白刃)』や、立ちはだかる倒木を獅子が努力して乗り越える様を「人生の中で必ず遭遇する試練を乗り越える」と説く『竿懸』などの演目があります。

<獅子舞を撮る難しさ>
 獅子舞は祭事の一つとして奉納されるため、撮影のチャンスは年に1回しかありません。そのうえ、演目によって動きも様々です。3匹の獅子、花笠、棒使い、道化、楽器の奏者等の動きを考えながら撮影のイメージを固めるため、日頃から『獅子舞』を見ることを大切にしています。
 作品に『心を写す』ような撮影方法を学んだり、練習風景も見学することで地域の背景を知り、作品に深みを与えることができると考えています。

熊谷人物伝
獅子舞
<今後の活動や目標>
 今後も引き続き、ライフワークである『獅子舞』を撮り続けていきたいです。また、機会があれば『熊谷の獅子舞』の展覧会を開催したり、伝統芸能を伝える記録写真集などの発刊もしてみたい。

<これから写真をはじめる方へ>
 ライフワークで写真に取り組むようなカメラマンの方が増えてほしい。1つの事を撮り続けるような活動をしていただきたい。

<熊谷市美術家協会>
 中田さんは現在、熊谷市美術家協会の会長として尽力されています。
 熊谷市美術家協会は絵画・彫刻・工芸・書・写真の5部から成る会で熊谷市美術展(市美展)の開催・会員作品展の開催・会報の発行、県展・県北展・熊谷市勤労者文化展への協力などを行っています。
 2013年4月10日〜14日まで熊谷市立市民体育館で開催された『第47回 熊谷市美術展』では、写真部門への多くの一般応募があり、最多点数の展示となりました。
熊谷人物伝
2013年 第47回熊谷市美展覧会
 熊谷人物伝
写真作品展示の様子



取材日:2013年5月21日/取材記者:なべさん
バックナンバー


HOME Pageの上へ↑

みんなのコミュニティサイト「くまがやねっと」
Copyright© くまがやねっと. All rights reserved. サイトマップ お問い合せ くまがやねっととは?
運営会社:大和屋株式会社