くまがやねっとは、埼玉県熊谷市近隣の情報をお届けする非営利のコミュニティサイトです。
みんなのコミュニティサイト「くまがやねっと」へようこそ!
HOME>くまがや人の旅日記 →お気に入りに登録する →お友達に紹介する


くまがやねっと情報局
くまがや人の旅日記
2009年7月5日更新 →バックナンバー


ポルトガル コルク樫



くまがやねっと くまがや人の旅日記
 6月中旬、コルク樫の皮剥きを見に、ポルトガルへ行きました。
「何それ?」と仰る方も多いと思いますが、ワインやシャンパンの栓に使われている、あのコルクです。コルクの原料がコルク樫の樹皮です。6月から8月くらいにこの樹皮を剥ぐ作業をします。
 どうするかというと、丁度、羊の毛を刈るのを思い浮かべて頂いて、あれの樹木版と思っていただければピッタリです。

     くまがやねっと くまがや人の旅日記   くまがやねっと くまがや人の旅日記
         樹皮を剥かれた幹             コルクの樹皮 写真は約8cm   

 どんぐりから25年経って、高さ1.2mの所で、幹の周りが70cm無いと、剥ぎません。初めて剥いだ樹皮をバージンコルクと言いますが、これは、
ごつごつしていて、栓には適さないそうです。一度剥ぐと、その後、9年間は剥げません。栓を作るのには、もう9年待って、3度目の樹皮からが良いものができるそうです。
 木の寿命が大体150〜200年ですから、15、6回剥げることになります。

くまがやねっと くまがや人の旅日記 くまがやねっと くまがや人の旅日記
        2009年に剥いた幹                 山積みのコルク    

 幹には、剥いだ年が印してあるので、木を見れば、9年後がいつかは、
一目瞭然にわかります。この皮剥き作業は、熟練者でないといけません。幹を傷つけてしまうと、その部分が死んで、樹皮ができないからです。
ですので、「斧の入れ方には、微妙な案配が必要なのです。」と聞いていたので、見ていた私に熟練工から「やってみる?」と、斧を差し出された時に、「良いのかしら」と思いながらも、好奇心が先に立ち、つい、受け取ってしまいました。でも心配は無用でした。何回やっても、力不足で一番外側の皮も傷つけられなかったのです。

       くまがやねっと くまがや人の旅日記   くまがやねっと くまがや人の旅日記
            皮剥き作業                     樹皮   

 因みに彼等は、二人一組で、1日20本くらい剥ぐそうです。皮剥きは6月〜8月にかけて行います。集められた樹皮は、半年間天日で乾燥されます。その後、いくつかの工程を経て、良いものは、コルク栓製造会社へ送られ、厚みや、密度により、何段階かに分類されます。上等なコルク栓は、機械で無く、人が穴をあけ、別の人が見て、何等級かに分類します。更にそれをチェックする人がいます。ここまでして、上等なコルク栓を作るのですから、「ど素人の私でも、栓を見れば、ワインの良し悪しが判断できるかも」なんて、考えてしまいます。

  くまがやねっと くまがや人の旅日記     くまがやねっと くまがや人の旅日記
           栓を作った残り                    修道院内部

 残りは、どうなるかというと、ごみではありません。砕いて小さな粒にして、いろいろな用途に使います。ソフトボールや、野球のボールの芯、靴底、
ガスケット、ボード、コースター、炭化コルク、床材などなどです。
 更に、余り(かす?)は、燃料になります。木の皮を剥いで、それを無駄
なく使えるなんて、地球にやさしい素材ですね。

くまがやねっと くまがや人の旅日記
外部にコルクをはったハノーバー万博の時のポルトガルパビリオン



取材日:2009年6月15日〜6月18日/取材記者:カルメンシーターさん


→バックナンバー


HOME Pageの上へ↑

みんなのコミュニティサイト「くまがやねっと」
Copyright© くまがやねっと. All rights reserved. サイトマップ お問い合せ くまがやねっととは?
運営会社: スマイルアート大和屋