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熊谷・軽井沢・プラハ

地域 歴史 ~2023年迄掲載

第22回 生誕120周年記念 画集「山下仙之助-日常の美と印象派の系譜-」

バイオリンのある静物 30号 1937年(S12)

熊谷市出身の画家・山下仙之助の生誕120周年、没後30年を記念して、画集『山下仙之助-日常の美と印象派の系譜』を刊行した。
画集は、2019年開催の「山下仙之助絵画展」で展示された絵画を中心に構成され、静物画と風景画を中心に約20点の作品を掲載した。2021年秋に、同絵画展事務局となどが企画し、準備が進められてきた。

埼玉県立浦和高等学校美術研究室にて

山下仙之助(1902-1992)は、現在の熊谷市上奈良生まれ。埼玉県立熊谷中学(現在の熊谷高校)の美術教師で、埼玉県下初の洋画団体「坂東洋画会」を発足した画家の大久保喜一氏(1885-1948)の薫陶を受け、同会に入会。戦後、埼玉県立浦和高等学校美術教師として後進の育成に励む傍ら、坂東洋画会を継承した「朱麦会」を はじめ中央画壇の「白日会」などで活躍。セザンヌなどポスト印象派の研究に基づいた独特の画風を確立し、日常を題材とした多くの静物画と風景画を残した。

画集は、山下祐樹(仙之助の曾孫、熊谷市立江南文化財センター、学芸員、画家)が解説の執筆と構成を担当し、美術史家で大原美術館館長の高階秀爾氏が監修した。図版の編集には、立正大学研究推進・地域連携センターとアルスコンピュータ専門学校などが協力した。
画集は、埼玉県立熊谷図書館・熊谷市立図書館などで閲覧が可能のほか、熊谷デジタルミュージアムで画集のPDFデータを公開している。 
画集の購入を希望する場合は、事務局(電話148-521-3577)まで連絡し、1,100円(税込)で販売している。

●坂東洋画会結成100周年記念「山下仙之助 -日常の美と印象派の系譜-」絵画展画集PDFはこちらから

また、同年5月26日、熊谷市奈良公民館で、熊谷市出身の画家・山下仙之助の生誕120周年、没後30年を記念した講演会を開催した。山下祐樹が講師を担当し、約20人が出席した。「山下仙之助-日常の美と印象派の系譜」をテーマに、美術史上の影響関係や技法の分析などを行った。
仙之助が描いた絵画には、日本の美術史とフランス絵画を研究した丹念な技が注ぎ込まれている。画集を通じて温かみのある雰囲気を堪能してほしいと考えている。

■第22回 生誕120周年記念 画集「山下仙之助-日常の美と印象派の系譜-」のスポット写真

絵画展の様子
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自画像 6号 1990年
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礼子の像 30号 1959年
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夏の集福寺 50号 1954年
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バイオリンのある静物 30号 1937年
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埼玉新聞 2022年3月27日掲載
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■熊谷市文化遺産研究会

お問い合わせ 山下仙之助絵画展事務局 電話番号:048-521-3577
ホームページ 「熊谷市文化遺産研究会」ホームページはこちらからどうぞ。
関連ページ くまがやねっと「熊谷市文化財日記」はこちらからどうぞ。
画集 坂東洋画会結成100周年記念
「山下仙之助 -日常の美と印象派の系譜-」絵画展画集PDF(9.6MB)

作成日:2022/06/30 取材記者:哲学・美術史研究者 山下祐樹