第８回　映像作品「しょうでんさま　国宝　歓喜院聖天堂」の完成 | くまがやねっと情報局 | 熊谷のことならくまがやねっと

2020年2月2日、埼玉県川口市の彩の国ビジュアルプラザで、熊谷市妻沼の国宝「歓喜院聖天堂」の映像作品「しょうでんさま 国宝 歓喜院聖天堂」の完成上映会が開催され、約300人が参加した。

この作品は埼玉県と株式会社デジタルSKIPステーションが実施している映像コンテンツ事業として、昨年9月から12月まで聖天堂や地域の史跡などを撮影。委託先の株式会社ソニーPCLが制作し、1月に完成した。

「文化遺産保護の現在と未来」

熊谷市教育委員会の山下祐樹主任（学芸員）と株
式会社小西美術工藝社のデービッド・アトキンソ
ン社長の対談（彩の国ビジュアルプラザ）

作品は約40分の内容で極彩色彫刻が数多く紹介されているほか、2012年に国宝指定された聖天堂の特色、約7年を要した「平成の大修理」などを解説している。ドローンを使用し国宝建造物を上空から撮影した動画や、高所クレーンを使用し彫刻に近接した位置からの撮影など多種多様な内容となっている。

完成上映会では、映像公開の後、国宝指定に向けての調査研究に関わった熊谷市教育委員会の山下祐樹主任（学芸員）が「歓喜院聖天堂の美と信仰」と題して講演し、 聖天堂の彩色復元を担当した株式会社小西美術工藝社のデービッド・アトキンソン社長と文化遺産の保護と公開活用をテーマに対談した。文化財の枠を超えた経済やビジネス、国の成長戦略や地方創生にまで話題が及び大変有意義な情報発信となった。

「妻沼聖天山の文化遺産の保存と記録化」

稲葉正広監督（株式会社SONY PCLポストプロダ
クションコーディネーター）、妻沼聖天山歓喜院
・ 鈴木英全 院主による トークセッション（熊谷
商工会議所ホール）

加えて、2月22日、熊谷市商工会館大ホールにおいて、熊谷における映像作品完成を記念してのフォーラムが開催され、約70名が参加した。野原晃教育長の主催者挨拶、映像監督：稲葉正広（株式会社SONY PCLポストプロダクションコーディネーター）の趣旨説明を冒頭に、映像作品が熊谷で初公開された。鑑賞後、熊谷市教育委員会の山下祐樹主任（学芸員）による講演「妻沼聖天山本殿『歓喜院聖天堂』の技と美―国宝指定への道―」、トークセッション「妻沼聖天山の文化遺産の保存と記録化」と題して、妻沼聖天山歓喜院・鈴木英全 院主と稲葉監督によるトークセッションが行われた。
完成作品は彩の国ビジュアルプラザ（川口市）で公開されている。