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第11回 ウィズ・コロナにおける文化財との向き合い方を求めて

星溪園でのソプラノ・レッジェーロの声楽家・土田彩花さん

星溪園積翠閣から玉の池を望む

3月以降、日本国内における新型コロナウイルスの感染拡大に伴い緊急事態宣言が出されるなど、国民生活における活動の自粛など様々な影響があった。自粛期間中、国内の博物館や美術館も休館閉鎖となり、熊谷市においても図書館や文化施設の利用休止が相次いだ。
名勝「星溪園」においても室内利用の休止と受付中止を行うなど、当初予定していた行事の多くが中止となった。その後、埼玉県においては緊急事態措置が解除されたが、3密回避やソーシャルディスタンスの維持など新たな生活様式を目指す「変化」の動きが始まっている。

こうした中、県内の博物館施設や文化施設の多くが再開し、熊谷市内の各施設も感染症対策を行った上での利用を促すなど「ウィズ・コロナ」としての文化芸術との関わり方について検討と模索が続いている。室内利用を再開した星溪園においては、どのような方法での開催が可能か議論を進めている。そして、イベント開催に関わる主催者側と利用者側の共通理解に基づくコロナ対策の指針を定め、その実施に向けて準備を行っている。
星溪園の使用制限が続いていた6月、熊谷市の文化財保存修理事業のPR大使を務め、イタリア国立ピアチェンツァ音楽院に留学しているソプラノ・レッジェーロの声楽家・土田彩花さんが当園を訪れ、自身の安全、医療従事者やエッセンシャルワーカーへの感謝の意を込めたメッセージ動画を撮影された。その後、音楽院のサイトなどで世界に配信されている。土田さんは「事態の収束とともに、そしてその後、音楽や文化財など文化芸術を通じての人々に平和がもたらされるよう願っています」と話していた。

「関東一の祇園」と称され毎年7月20~22日に開催される八坂神社大祭「熊谷うちわ祭」(熊谷市指定無形民俗文化財「熊谷八坂神社祭礼行事」)は諸行事を自粛し、神輿渡御や山車・屋台の巡行などの諸行事は実施しない予定で、少数の関係者だけが参加する社殿での神事のみで行うことが決定した。規模縮小による祭礼の自粛は戦後初となる。コロナ感染拡大の影響で、1年延期の判断が下され、年番町の荒川区は来年引き続き祭礼の運営全般を担当する。市内の無形民俗文化財行事も同様に、大半が中止または規模を神事のみに限るなど本年の開催は限定的なものとなっている。再び祭礼と向き合える日々を願って止まない。

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作成日:2020/07/14 取材記者:哲学・美術史研究者 山下祐樹