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NPO・ボランティア

地域

特定非営利活動法人おにの家

学生による取材の様子

■設立のきっかけ

特定非営利活動法人おにの家(尾島茂 理事長)は、ハンディキャップのある人もない人も自然な形でともに暮らせる場所を作ろうと思い、有志を集め手作りの味噌を売り始めたことをきっかけに誕生した法人です。
手作りの味噌を売ろうと思い立った理由は、義理の母が作る味噌がとても美味しく、これを販売したら良いのでは?と考えたからだそうです。
現在は、「おにっこハウス」を運営しており、ハンディキャップの有無に関わらず、様々な方が働いています。

■おにの家の由来

おにっこハウスの外観。緑に囲まれています。

「おにの家」という名前は、浜田広助による童話「泣いた赤おに」が由来となっています。地域の人たちと、ハンディキャップのある人たちの仲を取り持ち、その垣根を無くそうと思い、この名前に決めたそうです。「ハンディキャップのある人も無い人も一緒に働き、生活できる場を作りたい、大志を抱いていたわけではない。」尾島理事長は微笑みながらお話しされていました。

■おにっこハウスでの活動

鶏舎も見せていただきました!

落ち着いた熊谷の郊外に佇む「おにっこハウス」では、味噌づくりや養鶏、野菜販売、カフェの運営などを幅広く行っています。それぞれの部門にリーダーがおり、和気あいあいとした雰囲気の中で皆さん働いています。
活動の原点でもある味噌作りは、11月から4月までの間で仕込みを行い、夏の間発酵させ秋ごろに完成します。味噌作りは雑菌と麹菌の戦いで、仕込んだ味噌全てが商品化できるわけではありません。水分と塩分の絶妙な加減が大切だそうです。こだわりの味噌は「おにっこハウス」の名物にもなっています。
養鶏場では、より自然な環境で健康的に育てていくために、全て平飼いにされています。大きなケヤキの下にある鶏舎は、10坪以上の広さがあり、鶏たちはストレスの少ない環境で卵を産むことができます。実際、鶏舎で手叩きをしても鶏は全く驚きません。これは鶏のストレスが少ないからこその特徴だそうです。
また、鶏のエサには近所の農家さんからいただいたスイカやカボチャなどの野菜を飼料と混ぜて使用しています。そんなこだわりの卵は地元のデパートや農協で販売されているほか、「おにっこハウス」のメニューにも使用されているそうです。
カフェでは日替わりランチを提供しています。家族連れで大変賑わっており、日替わりメニューの豚肉のみそ漬け焼きを楽しむ様子が覗えました。また、カフェ内にある物販スペースでは、名物の味噌やクッキーなどを販売していました。

■取材を終えて

手作り味噌はおにっこハウスで販売されています♪

取材を終えて、「障がいのある人も、無い人も一緒に心地よく働くための工夫はありますか。」という質問に対し、尾島理事長が「特に無いです。」とおっしゃっていたことが印象的でした。
詳しく伺うと、「当たり前のことですが…」と断った上で、「おにっこハウス」を運営していくうえで、職員の方の希望を聞き、やりたいことにチャレンジしてもらうことを心掛けているそうです。普段味噌づくりをしている人が、カフェのレジ店員に興味があれば、配置転換してみる。たとえできなかったとしても、前の配置に戻して従事してもらうことで、自分のできることを納得して取り組んでもらえるそうです。
さまざまな仕事にチャレンジする方もいれば、味噌作りに専念する方もおり、このような「その人らしさ、その人のありのまま」を大切にする姿勢こそ、ハンデのある人もない人も自然な形で働く秘訣であるように感じました。
取材で訪れた「おにっこハウス」は、家族連れで賑わっていました。そんな地域の人々に愛される運営ができるのは、尾島理事長の優しく穏やかなお人柄の成せるものかもしれません。
おにの家の活動が今後も順風満帆であることを願っています。

■特定非営利活動法人おにの家のスポット写真

おにっこハウス内の売店の様子。
味噌をつかった五家宝も販売されていました!
おにっこハウス店内の様子。
大きな窯と鍋は味噌を作るのに使用します。
味噌蔵でタンクいっぱいの味噌が保管されています。
尾島理事長、スタッフの皆さま、ありがとうございました!

■特定非営利活動法人おにの家の詳細情報

法人所在地 埼玉県熊谷市板井1220番地1
ホームページ 特定非営利活動法人おにの家
取材対応者 理事長 尾島 茂
取材記事担当者 立正大学地球環境科学部1年 鈴木 詩緒里

作成日:2023/11/15 取材記者:北部地域振興センター