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活動の様子
特定非営利活動法人寄居の緑と空間を楽しむ会(押田大助 代表理事)は、寄居駅南口に位置する中央通り線の街路樹の維持管理を行っています。
この活動は、元々造園業を営んでいた代表の押田さんの、身近な自然を五感で楽しんでもらいたいという思いが原点です。町の人と協力しながらより自由な立場で活動できるNPO法人として活動をスタートさせました。
法人では、寄居駅南口の街路樹の維持管理として月に1回見回り・剪定を実施しています。12か所の寄せ植えには、寄居の山々にもともと見られる木々と埼玉県が指定する在来種から選んだ70種類もの植物が植えられており、季節ごとに表情が変わるため、1年を通して木々を楽しむことができます。地域にあった在来種の街路樹は、しっかりと根を張り、雨水を地中に浸透させる機能があるほか、真夏のアスファルトの温度を下げてヒートアイランド現象や地球温暖化防止の一助にもなっているそうです。
また、剪定の様子を見学させていただいたところ、雑草を抜かずに伸びた部分を切り、細かくして敷き詰めるという工夫をしていました。こうすることで、土の渇きや土が流れていくのを抑えることができ、敷き詰めた雑草が肥料にもなるそうです。
さらに、法人では町の人たちにより親しんでもらうために、街路樹の管理だけでなく、野菜と落ち葉の交換会や街歩きツアーなどのイベントも行っています。
令和4年5月、寄居町との間に「寄居都市計画道路中央通り線における街路樹維持管理協定」と締結しました。寄居の緑と空間を楽しむ会が街路樹の維持管理を行い、寄居町が清掃用具等を貸し出すなどの必要な支援を行うというものです。官民が連携し、街路樹の維持管理を行っていくことは、全国的にも珍しい取り組みだそうです。
同法人の発足前に、代表の押田さんを中心に移動式の公園で街路樹の寄せ植え実験を行い、その結果を寄居町に報告したことが協定を結ぶきっかけになりました。
今後は、この協定を発展させ、街路樹の植え込みの数を増やしたり、一つひとつの植え込みをもう少し大きくしたりといった提案もしていきたいと考えているそうです。
今回の取材を通して、寄居駅前の街路樹は自然の一部となるよう配慮されていること、また、住民に環境について考えてもらうきっかけになってほしいという意味が込められているのだと感じました。
押田さんは、法人の活動を通して寄居町を街路樹がたくさんある自然豊かな街にしていきたいと考えているそうです。押田さんの話を聞いて、落ち葉や雑草を肥料にするなど、循環型の街路樹の維持管理を実践している点がとても印象に残りました。
同法人の活動に賛同者が増え、寄居町の人に愛される街路樹に育ってほしいと思います。また、同法人の活動をお手本に、官民が連携する取り組みが全国に広がってほしいと思いました。
法人所在地 | 埼玉県大里郡寄居町大字寄居904番地 |
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取材対応者 | 代表理事 押田 大助 |
取材記事担当者 | 立正大学社会福祉学部3年 天野 洋寿 |
作成日:2023/11/06 取材記者:北部地域振興センター