くまがやねっと情報局

くまがやねっと > くまがやねっと情報局 > 連載中 > 素敵なお家 > 高気密・高断熱住宅と健康の関係

素敵なお家

暮らし

高気密・高断熱住宅と健康の関係

■プロフィール

黒田 房邦  Fusakuni kuroda
1982年(S57)東北大学大学院医学研究科卒業
1986年(S61)白河厚生総合病院外科勤務 一般外科、
        並びに消火器癌、乳がんの治療に携る
2004年(H16)白河厚生総合病院外科部長
2007年(H19)白河厚生総合病院副院長
2015年(H27)白河厚生総合病院退職



中学・高校・大学とサッカー部に所属
1995年(H7)~2003年(H15)べガルダ仙台チームドクターの一員に。
健康とスポーツの関係に興味を持ち、日本医師会認定健康スポーツ医取得。
外科医として勤務する傍ら産業医として職場の健康と環境の改善に係る。
退職後、住環境と健康の関係に興味を持ち、その中でも、高性能・高断熱住宅をテーマに情報の収集を行い、
集めた情報を分り易い形に整理して発信を始めた。

高気密・高断熱住宅に住むことによる健康へのメリット
~快適な住まいで健康長寿を~



文章:黒田 房邦(日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医)

私は暑いのには強いが寒いのは苦手です、東北地方にいた時に建てた家は北海道の住宅会社の寒冷地仕様の家で20数年住んでいました。2~3年前に東京近郊のマンションに移って来ました、冬はアルミサッシの窓から来る冷気で却って寒い感じがします。
それまで暖かい家に住んでいた感覚として高気密・高断熱の家いわゆる高性能住宅に住むと快適な生活が送れ、身体にもいいという感じがします。ヒートショックがよく話題になりますが、それ以外にもメリットがあるのではないかと思い身体の何に対しどれくらいいいのかということを調べてみることにしました。
しかし、前に住んでいた家と比べて実際にどの位身体によいかという事を調べることはなかなか難しいことです。
そこで、今回は断熱改修を行った戸建ての住宅に住む高齢者の調査結果の報告及び高断熱住宅に転居した人に対する調査から、高機能住宅に住むことによる健康へのメリットを検討してみました。
断熱改修を行った家よりも、新築であればより高機能な住宅でさらに健康な生活を送ることが出来るでしょう。
少しでも、皆さんが健康で活発な生活が出来ればいいと思っています。

■Ⅰ. 東京都健康長寿医療センターからの報告(平成25年12月2日)

① 冬場の住居内の温度管理と健康について
② 居室の断熱改修による睡眠、アレルギー症状、血圧の安定化等の可能性から


《調査の要約》
1.東京と埼玉で築 20 年以上の戸建て住宅に住む高齢者 18人(59~85 歳)の協力のもと、
  内窓の設置のほか、壁や床への断熱材取り付け、及び、床暖房の設置 等の断熱改修を実施。
  この改修前後で、室温や協力者の血圧測定、健康に関連するヒアリングなどを行い、2011
  年から約1年間をかけてデータをまとめた結果、
  a. 居室の断熱改修は、睡眠やアレルギー症状に良い影響を与えることが分かった。
  b. 断熱改修後に、血圧の安定を示唆する変化も見られた。




2.2010年度に実施した高齢者43人(77~86歳)に対する血圧と室温の24時間測定によると、
  部屋全体が温まっている「適温」での生活が、血圧の上昇を抑え、安定化に効果的である
  ことが分かり、居室の断熱改修は、血圧の低下や安定化に有用である可能性を示唆された。




3.2008年度に実施した高齢者に対する冬場の暖房方式、室温、活動量の1週間計測に
  よると、暖房方式と居室の室温、活動量には関係があり、こたつやホットカーペッ
  トのみを使用している高齢者13人と部屋全体を暖房している高齢者30人の比較では、
  部屋全体が温まっている「適温」で生活をしている高齢者は、活動量が高いという
  結果が得られている。





4.2007年度に実施した、高齢者住宅の暖房状況と生活習慣・運動機能の調査において、
  暖房状況と筋力やバランス能力にも関係があり、居間全体を暖房している高齢者は、
  筋力のレベルが高いこと等が明らかになり、握力:全体暖房のみ237人・部分暖房
  のみ209人、膝進展力:全体暖房のみ214人・部分暖房のみ191人の比較では、
  居室全体を暖房し温度が高いと筋力が高いことが示された。



  

■Ⅱ. スマートウエルネスの狙い ~健康・省エネ住宅のススメ~

近畿大学建築学部 岩前 篤先生の日本建築材料協会建材情報交流会での報告から




高断熱住宅の健康影響度調査の結果
概要:2002~2008年に転居した人約24,000人を調査、対象年代としては30代、40代が多い。




新しい住まいの断熱性の内訳は
G3(断熱等級3)新省エネ基準;18%
G4(断熱等級4)次世代省エネ基準;49%
G5(温暖地で北海道仕様の断熱性能;33%)




1.断熱のグレードが高くなると健康状態は全体として改善、手足の冷えは著明に改善。
  また、気管支喘息・せき・のどの痛みなどの呼吸器系・咽頭の症状、肌のかゆみ・
  目のかゆみ・アレルギー性結膜炎・アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状が改善する。





2. 断熱が健康改善率に対して寄与する割合は気管支喘息、アトピー性皮膚炎、手足の
  冷え、アレルギー性鼻炎などで高い。
  せきは喫煙の寄与する割合が高く、のどの痛みでは飲酒・喫煙が寄与する割合が多い。





3. 高断熱になるほど、トイレの自然室温が高くなる




4. 手足の冷え、関節炎、アトピー性皮膚炎、せきで症状の改善率の増加の程度が高く、
  その中でもG4→G5へ転居した人の方が改善率は高かった。





5. 断熱改修によるコスト効果は、断熱費用を凌ぐ可能性がある
  ニュージーランドの研究例では、断熱改修をした世帯では健康状態の改善がみられ、
  特に呼吸器不全、風邪・流感は著明に減少した。
  子供の学校の欠席回数が、断熱した世帯では半分になった。
  呼吸器不全による通院は半数に減った。
  コスト効果の試算では、断熱改修による効果は断熱費用の約2倍になった。




6. 外国では過度な寒さに対するリスクに対して、室温に関する規程がある。
7. 住宅断熱化の効果は省エネ、快適性だけでなく、健康に対する効果は非常に大きい。




8. 結果として、暮らしが「おっくうでなくなる」




「高断熱・高気密住宅に住むことによる健康へのメリット」の相互関係を図にしてみました。




高断熱・高気密の高性能住宅では、良眠出来るようになり、血圧が安定しヒートショッ
クが予防される。
手足の冷え、関節痛などが無くなり、身体を動かすのがおっくでなくなるため、室内で
の活動が活発になり筋力が維持される。
また喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が改善する。
呼吸器不全、風邪・流感が少なくなる。
などの省エネ・快適性だけでない健康上のメリットが多くあり、これらのメリットは相
互に関係し合い良い環境を生んでいるものと考えられる。

ヒートショック対策としての高気密・高断熱の家造りというだけでなく、健康生活を送
るための家造りをしましょう!

■高気密・高断熱住宅と健康の関係の詳細情報

お問合せ先 森の家展示場
TEL : 048-527-8181
Mail : morinoie@morinoie.info
ホームページ 大和屋株式会社住宅部HPはこちらからどうぞ

作成日:2021/11/30 取材記者:大和屋株式会社 住宅部