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妻沼手づくり市開催時の街道風景
旧街道や旧宿場町の街並み、建造物などの歴史的遺産を保全し活用する活動が、全国各地で取り組まれています。
埼玉県は、「歴史のみち広域景観形成プロジェクト」を平成22年から推進し、平成23年に「歴史のみち景観モデル地区」5地区を選定しました。
○吾野宿地区(旧秩父道)○深谷宿地区(旧中山道)○妻沼地区(聖天山周辺)○鴻巣宿地区(旧中山道)○蕨宿地区(旧中山道)です。
今回、妻沼地区(聖天山周辺)、深谷宿地区(旧中山道)及び鴻巣宿地区(旧中山道)の現在を取り上げてみます。
妻沼地区(聖天山周辺)は指定を受けた後、熊谷市では「聖天山周辺地区にふさわしい門前町景観まちづくりプラン」を平成26年3月に策定。一緒に進められてきた「主要地方道羽生妻沼線(聖天山南側道路)」の整備(柱の移設と歩行スペースの確保)事業が推進中です。
しかし、プランに示された盛り沢山の施策の推進は、容易なことではありません。深谷、鴻巣と異なり、基盤整備(区画整理、道路など)が進んでいないことです。門前町の景観をどう作り出すのか、ハードとソフトの施策推進に期待がかけられています。
深谷宿地区(旧中山道)は、土地区画整理事業が動いていて、着実に施設整備が進んでいます。また、深谷市中心市街地活性化やTMO(Town Management Organization)が同時に取り組まれていて、徐々に街並み景観が変わりつつあります。
整備のコンセプト「レンガを活かした」という都市景観づくりの動きを、各所で感じることができます。
平成25年には「埼玉県景観重要建築物」に藤崎藤三郎商店のレンガ造煙突が指定されました。
個々のお店も歴史的景観に相応しい店舗ができ、街歩きの楽しみと魅力が出てきています。
鴻巣宿地区(旧中山道)は、歩車道分離と歩きやすい歩道の路面、フラワーポットやハンギングの飾り、更に歩道や店先が清潔なことは、3地区の中で「歴史のみち景観モデル」として、最もふさわしい雰囲気を感じます。
現在、鴻巣駅東口は都市再開発事業が推進中で、既に再開発ビルが完成し、公共施設や店舗に利用されています。駅前から旧中山道の街並みが、一体的に活用されるのか、駅東口に人の流れが集まってしまうのか、関心が湧きます。
道路の整備や施設の改修、店舗の新たな取り組みが賑わいを取り戻すための試みとして始められてきました。しかし、社寺の祭日、各種のイベントという非日常の賑わいを作り出すことはあるものの、日常的に人が行き交い賑わいのある街は多くありません。
「歴史のみち景観モデル地区」の様々な取り組みが、日常的に人が行き交う街道の再現につながることを期待しています。
作成日:2015/05/15 取材記者:mhennmi