社会福祉法人いなほ会　わらしべ保育園 | くまがやねっと情報局 | 熊谷のことならくまがやねっと

今回はさいたま市桜区のわらしべ保育園をご紹介します。
JR中浦和駅から徒歩14分。住宅街の中にある保育園です。

棚の上や窓辺などに木でできた置物やおもちゃが飾られてありました。手づくりだというこのおもちゃ達は、木特有の優しいぬくもりが感じられ、とても心が和みます。
剣持園長は、「園児達が豊かに育つためには『環境づくり』が大切」だと言います。
安全性はもちろん、園舎や保育士、保育内容など園児が関わる全ての環境を整えることが、園児が豊かに育つことに繋がるのです。そこで、木など本物の素材と触れ合える園舎にしたり、定期的に研修会を開いて保育士と保育内容の質を高めたりして保育園の環境を整えています。
また、子育て支援も盛んです。幼少期は親の愛情が一番必要な時期です。この時期に、こどもが親から「愛されている」と実感することが人格形成に繋がると言われています。親がこどもに十分な愛情を注ぐためには、安心して子育てを行える環境が必要です。そのために、家庭環境や社会情勢などを把握し、今の時代に合った子育て支援を行っています。例えば、わらしべ保育園の父母の会が発行している広報紙には、子育ての悩みを保育士がアドバイスしたり、保育園の栄養士による簡単な離乳食レシピがあったり、お母さんも嬉しい情報がいっぱい掲載されています。
園児が豊かに育つためには、保育園だけでなく、保護者との関係や家庭環境も整える必要があります。こどもも大人も安心して過ごすことができる環境が大切なのです。

1人1人にあった保育ができるように保育内容にも様々な工夫が見られます。
入園当初の園児達は、それぞれ違う環境で育ってきたので生活リズムはバラバラです。そのような中、いきなり皆と一緒に行動するのはとても難しいものです。
そこで、最初は園児1人1人の生活リズムに合った保育を行い、園児の特徴を把握していきます。「この子はゆっくりご飯を食べる」「この子は暗い所が苦手」など、園児と向き合うとたくさんの特徴が見つかります。これをしっかり把握することで園児1人1人に合った対応をすることができるのです。
また、その年齢で流行っている遊びに合わせ、保育室に置くおもちゃも違います。3、4歳児に人気の『ごっこ遊び』では、園児が楽しく遊びに熱中できるようにエプロンが保育室に置いてあります。最近では、保護者が作ってくれたドレスを着て、『アナと雪の女王』ごっこが大人気だそうです。
園児は年を重ねるごとに、走れるようになったり、言葉で自分の気持ちを伝えられるようになったり、どんどん成長をしていきます。ですが、それには個人差があり、周りの環境によってもそれは変わります。その時その環境に合った保育になるよう園児1人1人と向き合っています。

保育園の日常の中で、園児達に何かを競争させるようなことはしていません。
例えば、縄跳びの種目ができた園児の名前を貼り出したり、順位をつけたりすることです。
競争にすれば、それが好きな子はもっと頑張ろうと思うかもしれません。ですが、苦手な子にとっては、どんどん自信をなくして嫌いになってしまう可能性もあります。
大切なのは、「得意な子が不得意な子にそれの魅力を伝えること」だと剣持園長は言います。
物事には得意不得意があって当然です。不得意な子にとって、それを無理やりやらされることほど嫌なことはありません。「やらせる」のではなく、「一緒にやろう」「こうやると楽しいよ」と友達から誘ってもらい、できた時の喜びを友達と分かち合うことこそ、園児にとってとても大切な経験だと思います。

大人がこどもに無理やりやらせるのは簡単なことです。ですが、そのまま大人の言いなりで育ってしまっては、将来自分で判断して行動することができなくなってしまいます。時間がかかってもこどもと向き合い、こどもが自分の力で考えて行動ができるように「手助け」をすることが重要なのです。
わらしべ保育園では、園児1人1人と正面から向き合っています。環境を整え、保護者とも協力して、園児たちの「今」しかない時間をとても大切にしている保育園です。