くまがやねっと情報局

くまがやねっと > くまがやねっと情報局 > バックナンバー > R407/R293 往来記 > 第2回 佐野市立吉澤記念美術館とその周辺

R407/R293 往来記

~2020年迄掲載 歴史 地域

第2回 佐野市立吉澤記念美術館とその周辺

吉澤記念美術館の入り口、企画展「キラメク工芸・カガヤク日本画」の案内ボード

熊谷と佐野の2つの地域を行ったり来たりの生活ですが、現在は佐野に3泊4日の旅行気分で出かけています。
そのため、しばらくは佐野地域の話題が多くなりそうです。
前回の出流原弁天池入口交差点を直進。R293が街中を抜けている旧葛生町(現佐野市葛生)まで足を伸ばしてみました。
目的は、佐野市立吉澤記念美術館で開催中の企画展「キラメク工芸・カガヤク日本画」を観ることと、石灰関連産業の鉱都葛生を訪ねてみたかったからです。
今回は、佐野市立吉澤記念美術館とその周辺ということでまとめてみました。

■佐野市立吉澤記念美術館のプロフィール

佐野市立吉澤記念美術館外観

この美術館は、吉澤石灰工業創業家の吉澤家から、2000年(平成12年)3月に515点の美術品、更に2002年(平成14年)には、新築した美術館を葛生町に寄贈され誕生しました。
その後の2005年(平成17年)の市町村合併により佐野市立になり、現在佐野市により運営されています。

吉澤家のコレクションは、江戸時代後期から5代200年にわたり蒐集された美術品で、寄贈されたコレクションはおおよそ4つで構成され、①近世の絵画(江戸時代)、②近代の日本画(明治~昭和前期)、③現代の日本画など(昭和中期~現在)、④近現代の陶芸など(大正~現在)です。
これらの作品を中心にした企画展が、毎年数回開催されています。

■企画展「キラメク工芸・カガヤク日本画」

岡田華郷 《獅子図》(部分)
(佐野市立吉澤記念美術館HPより)

受付で、インターネット上で美術館と企画展の紹介をしたいからと、展示会場の写真撮影を申し入れたのですが、やはり、断られました。
日本の美術館はどこも撮影禁止。一つ一つの展示作品を撮影するのではなく、会場風景でよいと話しても、OKがでないのは残念。
ということで、美術館入口や施設の外観の写真と美術館ホームページで掲載されている作品の写真を使わせてもらい記事をまとめました。
(ホームページで掲載されている写真の使用は、掲載元を表示すればOKでした)

山本茜
「源氏物語シリーズ 第一帖『桐壺』」
(佐野市立吉澤記念美術館HPより)

美術館ホームページを参考に、企画展の趣旨を要約しますと、日本美術の大きな特徴である金や銀(箔、截金、砂子、絵具)を多用した絵画・工芸作品を取り上げ、作品が生み出す様々な「キラメキ」や「カガヤキ」の中で、来館者に晴れやかな一時を過ごして欲しいとことが目的です。(晴れ気分になりました)
前期と後期の2回に分けて展示され、後期は47点の作品が展示されていました。
特に、截金(きりがね、細かく切った箔による文様作品)に目が惹きつけられました。
截金ガラス作家山本茜氏の作品で「源氏物語シリーズ 第一帖 『桐壺』」。ガラス球に埋め込んだ截金の作品の魅力は、実物でしか伝わらないなあと感心してきました。
残念ですが、この企画展は5月13日が最終日です。次回の企画展は、人気の高い伊藤若冲です。「ひそやかな別天地-伊藤若冲《菜蟲譜》と江戸から近代の『絵の本』-」会期5月16日~7月1日です。関心のある方は出かけて見てはいかがでしょうか。

■葛生の里一番館で昼食

葛生の里一番館入口

美術館エリアには、葛生行政センター、葛生図書館、葛生化石館、葛生伝承館、そして葛生の里一番館の施設が集められています。
葛生の里一番館は、国の中心市街地活性化法を受けて作られた会社(略TMO)「まちづくり葛生株式会社」が、設置したテナントと直営店です。
ちょうど昼時、直営店で昼食にしました。まちの弁当屋さんというキャッチフレーズの付いた店。テイクアウトの弁当が主ですが、店内でランチも食べられます。ランチメニューはどれも500円。

イカフライとからあげ定食

イカフライとからあげ定食にしました。痩せ老人ですから普段は食事量は少なめです。街歩きしたこともあり、珍しく完食でした。(おいしかった!)
中心市街地活性化法は、1998年(平成10年)に国が定めた法律で、地方都市の中心市街地を活性化するために官民一緒で推進することが目的。全国各地で展開されたものの、会社の運営(財源、人材など)上の課題や実際に活性化につながっているのかと、その成果が、今問われています。
「まちづくり葛生株式会社」の活躍を期待したいですね。

■鉱都葛生の街

美しい景観の県道

石灰産業の街は「鉱都葛生」と呼ばれ、国道293号は重要な産業道路であり、ダンプ街道といわれてきました。道路沿線の住民はその騒音と埃に悩まされたのではないでしょうか。現在は市街地を迂回する葛生バイパスが代替し、市街地を抜ける道は、電柱の地中化など景観の配慮された、県道として利用されています。
沿道には「鉱都葛生」を忍ばせる豪邸が何軒か建っているものの、街は静寂そのものでした。

■第2回 佐野市立吉澤記念美術館とその周辺の詳細情報

佐野市立吉澤記念
美術館
佐野市葛生東1丁目14-30
>>佐野市立吉澤記念美術館ホームページはこちらからどうぞ
まちづくり葛生
株式会社
佐野市葛生東1丁目13-3
>>まちづくり葛生株式会社ホームページはこちらからどうぞ

作成日:2018/05/16 取材記者:風神雷神荘主人