くまがやねっと情報局
くまがやねっと > くまがやねっと情報局 > 連載中 > NPO・ボランティア > 特定非営利活動法人SK人権ネット
くまがやねっと > くまがやねっと情報局 > 連載中 > NPO・ボランティア > 特定非営利活動法人SK人権ネット
学生による取材の様子
特定非営利活動法人SK人権ネット(山口純子 代表理事)は、
誰でも利用できる子ども食堂「熊谷なないろ食堂」を運営しています。
代表理事の山口さんは、御自身の子育てが落ち着いたのを機に、何かライフワークになることはないかと考えた結果、子ども食堂の運営を始めたいと思い立ったそうです。SK人権ネットの代表理事を引継ぎ、2017年から「熊谷なないろ食堂」の運営を開始しました。
2021年には学習スペース「てらこや」がオープンし、ボランティアによる学習支援も行われているほか、ひとり親世帯などの特に生活の支援が必要な方向けにフードドライブ・フードパン
トリーを開催しています。
「熊谷なないろ食堂」は、月・水・金曜日に17時から19時までの2時間開催されています。
以前はビュッフェ形式でしたが、コロナ禍を機に現在はお弁当の販売を行っています。お弁当の値段は中学生以下100円、高校生以上300円、大人のみの利用であっても500円です。「確実にお腹いっぱいになるように」という思いのもと、お弁当の他に汁物がつくほか、果物やパンなどを配布することもあるそうです。8月度の合計利用人数は1513人と非常に多く、沢山の親子の手に美味しい手作りのご飯が渡っていることが分かります。
「熊谷なないろ食堂」の特徴は、誰でも利用できることです。支援を必要としている方のみを対象とすると利用するハードルが高くなってしまうことから、利用者に制限を設けていないそうです。中には、共働きで忙しいお母さんの利用もあり、子どもと一緒に手作りのご飯を食べることができて家族との繋がりが増えたという声もあるそうです。
また、週3回も開催している子ども食堂は全国でも珍しく、農家から野菜を頂くなど多くの企業・団体などから支援を頂き、低額な料金で活動を続けることができているそうです。
子ども食堂の開催日には、併せて学習スペース「てらこや」が開放されます。ここでは、小中学生を対象とし、高校生以上のボランティアが学習支援活動を行っています。(「てらこや」の利用及びボランティアへの参加は登録制になります。)
17時から19時までの開催で、前半1時間は勉強をし、ご飯を食べた後は利用した部屋の掃除をしてから自由時間となります。自由時間はボードゲームや外で鬼ごっこなどをして楽しく過ごすそうです。「てらこや」という名前のとおり、明るい空気が流れているとのことでした。
色々な学年の子どもたちが来ているため、教える内容や教材に苦労していたそうですが、現在は一人ひとりの学習状況に合わせた教材の使用やオンライン教材の導入により、利用者とボランティアの両方にとって過ごしやすい環境づくりが進められています。
利用している子どもたちにについて、山口さんは「いつかサポート側に回り次の人に繋げていってほしい。」とおっしゃっていました。「高校生になったらボランティアとしてここに来るね」と話す小中学生もおり、実際に、ボランティアさんの中には過去に子ども食堂を利用していた方もいらっしゃるそうです。
フードパントリー等を含めるとほぼ毎日にわたる活動の中で、こういった声や利用者の方の笑顔にパワーをもらっているということでした。
山口さんをはじめ、スタッフさんやボランティアの方からとても温かい雰囲気を感じました。子どもの夕食にスーパーのお総菜を買うという、忙しく働く方が抱える「なんとなく後ろめたい気持ち」に手作りの安価なお弁当で優しく寄り添う姿からは、多くの親子が訪れる理由が分かります。
また、お弁当を受け取るお母さん同士や、高校生と社会人のボランティアさん同士が楽しそうに話している様子も見受けられ、子どもたちだけでなく地域の人の交流の場にもなっているのだと思いました。
「熊谷なないろ食堂」のご飯には、法人のスタッフの方、ボランティアの方、活動を応援してくださっている企業・団体の方など、たくさんの方々の思いが込められています。ひとりでご飯を食べている子どもたちも、毎日忙しく頑張っている親御さんも、温かい手作りのお弁当でホッと一息ついてみませんか。
法人所在地 | 埼玉県熊谷市上之803番地1 |
---|---|
ホームページ | 熊谷なないろ食堂 |
取材対応者 | 代表理事 山口 純子 |
取材記事担当者 | 立正大学社会福祉学部1年 K・A |
作成日:2024/11/13 取材記者:北部地域振興センター