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熊谷市文化財日記アネックス

歴史 地域

広瀬古墳群と宮塚古墳

写真:国指定史跡・宮塚古墳(昭和30年代後半撮影/熊谷図書館小澤國平文庫)

広瀬古墳群は、広瀬地区の妻沼低地、荒川左岸の自然堤防上に所在する古墳時代後期(終末期を含む)に造られた古墳群です。古墳群は大きく二群に分けられ、現在11基が確認されており、墳丘を残す古墳も多く見られます。
東の浅間神社の社が墳丘にのる古墳を含む2基と、西の宮塚古墳及びその周囲8基の古墳で構成される群に分かれますが、前者は東に占地する石原古墳群に続く古墳群としても見ることができます。
宮塚古墳は、全国的にも珍しい墳形の上円下方墳であり、一辺17~24mの方台の上に、直径8.5~10mの饅頭のような円形の墳丘がのる形で、その特異性から昭和31年に国指定史跡に指定されました。また、この古墳には埴輪の樹立が見られず、墳形の特徴からも古墳時代の終末期(飛鳥時代)の7世紀末~8世紀初頭頃に築造されたと考えられ、数ある熊谷の古墳の中でも最終段階の古墳と考えられています。上円部には河原石が散乱していることから葺石が葺かれていたと考えられるほか、その規模の小ささから横穴式石室ではなく、火葬骨を入れた蔵骨器を安置した石櫃のような埋葬施設が想定され、併せて、墳墓の規制がなされた大化2年(646)に制定されたいわゆる「大化の薄葬令」以降という時期であることも考えると大変興味深いものです。

■江南文化財センター

住所 埼玉県熊谷市千代田329番地
電話番号 048-536-5062
営業時間・見学時間 9時~17時(入館 16時30分まで)
定休日 土、日、祝日(12月29日~1月3日)
ホームページ 江南文化センター「熊谷デジタルミュージアム」へはこちらからどうぞ。

作成日:2016/04/01 取材記者:江南文化財センター