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熊谷市文化財日記

歴史 地域

埼玉県指定有形文化財建造物 「諏訪神社本殿」の概要

「諏訪神社本殿」(熊谷市上新田227)は、当地の柴田信右衛門豊忠によって延享〈えんきょう〉3年(1746) に創建されたと伝えられ、その後、嘉永〈かえい〉5年(1852) に補修されました。創建時の棟札によると、「歓喜院聖天堂」の造営に深く関わった三ヶ尻村出身の内田清八郎が大工棟梁となり、上州花輪村出身の石原吟八郎が彫刻を担当しました。また、林兵庫正清が細工の意匠に関わるほか、彩色は聖天堂と同じく狩野派の絵師が施し、高い技術力を発揮しました。同時期に建立を進めていた妻沼聖天山の歓喜院聖天堂の工事中断の間にこの本殿が手掛けられたものと推察されます。檜皮葺〈ひわだぶき〉の屋根は信州松本城下の太田松右衛門などの技術に委ねられ、名工集団によって本殿の建立がなされたことが分かります。
本殿の構造は、桁行1.47メートル、梁行(奥行)2.27メートルの欅造〈けやきづくり〉による一間社流造で、屋根の下には三角の形をした千鳥破風〈ちどりはふ〉、軒の下には上部が丸く形作られる唐破風〈からはふ〉を付け、正面には屋根が張り出した向拝を設けています。現在、彩色の多くが薄れていますが、各所に施された人物や動植物の装飾彫刻から放たれる雰囲気が際立ち、実際の規模以上の風格を感じることができます。歴史を超えて保存されてきた本殿からは、渋さの中にも豊潤な芸術性が薫り立ち、江戸時代中期の熊谷地域が彫刻技術の最先端の地であったことを示す貴重な証しとなっています。 

■江南文化財センター

住所 埼玉県熊谷市千代田329番地
電話番号 048-536-5062
営業時間・見学時間 9時~17時(入館 16時30分まで)
定休日 土、日、祝日(12月29日~1月3日)
ホームページ 江南文化センター「熊谷デジタルミュージアム」へはこちらからどうぞ。

作成日:2016/07/03 取材記者:江南文化財センター