くまがやねっと情報局

くまがやねっと > くまがやねっと情報局 > 連載中 > 熊谷市文化財日記アネックス > 熊谷地域の絵葉書6 日露戦争凱旋門

熊谷市文化財日記アネックス

歴史 地域

熊谷地域の絵葉書6 日露戦争凱旋門

この写真は、明治38年(1905)の日露戦争勝利を記念して、従軍した人たちを迎えるために熊谷停車場前に建てられた凱旋門です。
この凱旋門は、8本の柱で建てられる3つの門を有する構造で、一見石造ですが、恐らく木造の漆喰塗りで仕上げたものと思われます。
中央の門に「祝凱旋」「國威宣揚」と書かれた看板が、左側の門には錨の紋章、右の門には桜の紋章が掲げられており、日本海軍の徽章である「桜に錨」を表現しているものと思われます。左側に旭日旗、右側には日章旗が掲げられています。
凱旋門の下には、正装した男性が並んでおり、左側には、太鼓などの楽器を持った楽隊の姿も見えます。写真右手奥の平屋瓦葺の商店には、「五家寶」の看板が掲げられています。
この他、明治39年10月28日には、日露戦争凱旋軍人慰労会が熊谷小学校で開かれており、うちわ祭の屋台も繰り出し中山道をパレードが練り歩いたほか、11月3日には妻沼歓喜院境内にて凱旋式が開催されるなど、市内各地で記念行事が盛大に行われました。
ちなみに、当時国内各地に作られた凱旋門は、現在では、鹿児島県姶良市(石造:国登録有形文化財)と、静岡県浜松市(レンガ造:国登録有形文化財)の2箇所のみ残されており、福島県いわき市に平成1 9年に復元された木製の凱旋門が残されています。

■江南文化財センター

住所 熊谷市千代329番地
開館時間 午前9時~午後5時
休館日 土曜日・日曜日・祝日・年末年始
お問い合わせ 048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター)
ホームページ 江南文化センター「熊谷デジタルミュージアム」へはこちらからどうぞ。

作成日:2024/02/15 取材記者:江南文化財センター