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第164回 漫画家 小沢かなさん

今回ご紹介するのは、漫画『ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―』の作者、
漫画家の小沢かなさんです。

■プロフィール

小沢かなさん
写真提供:新潮社

神奈川県出身。
2015年4月より、新潮社「月刊コミック@バンチ」で『ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―』連載中。
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【ブルーサーマル ―青凪大学体育会航空部―】
高校まで体育会系女子だった主人公・都留たまき(つるたま)は、大学入学を機に普通の女子大生としての恋愛を夢見てサークルを探していた時、偶然、航空部のグライダーを壊してしまったことをきっかけに入部することに……。
航空部を舞台に描かれる、つるたまと部員たちの青春ストーリー。グライダーの世界観を楽しめるお勧めの作品です。

~ ブルーサーマル 最新コミックス3巻、2016年9月9日発売!! ~

■小沢かなさんにお話をお聞きしました

Q:漫画家を志したきっかけを教えてください。
  もともと小さい頃から絵を描いたり、本を読んだりすることが好きでした。
  学年誌に載っていた『ラブリーまりちゃん』というクラシックバレエを題材にした漫画に影響されて、
  バレエ習いたいと両親にお願いしたのですが、近くにお教室がなく通わせてもらえず…。
  「あ!じゃあ漫画描けばいいじゃん!」と思ったのが最初だった気がします。
  小学校1年生くらいだったかと。
  人前が苦手な上にリズム感が全くないので、今思えば近くにバレエ教室がなくてよかったです。

Q:グライダーを題材とした作品を描こうと思ったのは
  いつ頃ですか?

  大学生になって、航空部に入ってすぐです。
  私は高校生の頃から漫画のお仕事をしていたので、
  「こんなおもしろい体験、いつか漫画にするしかない」と
  思いながらずっと部活で飛んでいました。




Q:大学時代航空部に所属していたそうですが、実際に体験されたエピソードなどが作品に描かれているので
  しょうか。

  まるっきりそのままということはあまりありませんが、部分部分で実際の体験が活きていると思います。

Q:漫画を描く時に注意している点や、心掛けている事はありますか?
  何よりも、私が描いた漫画を読んでくださるみなさまに、楽しんでもらえることを心掛けています。
  『ブルーサーマル』に関して言えば、グライダーを知らない方が読んでも楽しめる、というのが第一目標
  です。実際にグライダーを飛ばす手順や、グライダーパイロットとしての成長過程を事細かに知っている
  だけに、つい順序立ててストーリーを組み立ててしまいます。
  でもそれだと、元々グライダーを好きな人にページをめくらせることはできても、知らない人にはめくっ
  てもらえない。
  いくら現実に忠実でも、それでは商業誌に載せていただいている漫画としては失格かなと…。

連載を始める前に担当さんに言われた「グライダーの教科書にならないように」というのはいつも頭の隅においています。
グライダーの操縦や知識に関する教科書としての役割は数ある名著におまかせして、『ブルーサーマル』はまた違った役割を果たせればいいなと思っています。
とはいえ、間違ったことを描くわけにはいかないので、学生時代より今の方がちゃんと勉強しているような気もします(笑)



Q:漫画家を志す方へのアドバイスをお願いします。
  私くらいの漫画家レベルでアドバイスというとおこがましい気がするのですが、いちばんは続けることだと
  思います。小学校くらいだと周りに漫画描いている子はたくさんいたのに、中学校高校と進むうちにどん
  どんいなくなっていきました。私も何回ももうやめよう、と思いましたが、諦めきれずに描いてるといい出
  会いがあって、もうちょっとがんばってみよう、の繰り返しでここまでやってこれました。あとは、人に見
  せることかなあと思います。
  自分以外の人が、時間を割いて自分が描いたもの読んでくれるってすごいことだと思うので。今はいろんな
  媒体があって、昔のように出版社に投稿や持ち込みをして、賞をとって雑誌に載って…という手順を踏まな
  くても、自分が描いたものを発表できる場がたくさんありますけど、やっぱりお仕事として漫画を描くので
  あれば、誰かに読んでもらうことを意識して描くというのは大事だと思います。

Q:作品中に熊谷市を連想させる風景やお店がありますが、
  お気に入りのスポットやお店があったら教えてください。

  熊谷駅近くの中華料理店「李家」さんはボリュームもあっ
  て美味しいので、学生時代合宿後によくみんなで寄りまし
  た。最近は取材の帰りに、葛和田のやさい広場によく寄り
  ます。新鮮な野菜はもちろん、手作りのぬか漬けも美味し
  かったです。あとはやっぱり、妻沼滑空場が好きです。
  漫画を読んで興味を持っていただいた方に、ほんものの
  グライダーが飛び立つ瞬間を滑空場で見てもらえたらい
  いなと思います。本当にかっこいいので!

Q:最後に、読者のみなさんにメッセージをお願いします。
  『ブルーサーマル』は、本当に運のいい漫画だと思います。いろんな方に助けられてやっと陽の目を見て、
  さらに読者のみなさまに支えられてここまで続けてくることができました。本当にありがとうございます。
  これからも精一杯がんばりますので、つるたまをはじめ青凪大学体育会航空部のメンバーたちの成長を、
  引き続き見守っていただけたら嬉しいです。
  どうぞよろしくお願いいたします。

■第164回 漫画家 小沢かなさんの詳細情報

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作成日:2016/09/01 取材記者:なべさん