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コルクフローリングができるまで

第8回はコルクフローリングができるまで。
今回は、コルクの木から、実際にコルクフローリングができるまでをお伝えします。



コルクボードやワインの栓など、フローリング以外でも幅広く使われている素材「コルク」。
コルクは「コルク樫」という木から採取されます。コルク樫はどんぐりの木です。コルク樫の落としたどんぐりを食べて育った豚はとてもおいしくなるそうで、スペインの生ハム(ハモン・イベリコ)で有名なイベリコ豚も、コルク樫の森でどんぐりを食べて育つそうです。
コルク樫のどんぐりを食べて育つイベリコ豚は、最高級の生ハム原料となります。最高級のおいしさは、良い素材を食べているからこそですね。ちなみに、どんぐりを食べた豚のフンがコルク樫の大事な肥料となることで、循環を生んでいます。

コルクは、コルク樫の樹皮を剥いで収穫するため、木そのものを痛めることがありません。
さらに、樹皮は9年ごとに再生するため、羊毛のように繰り返し採取することができるのです。
木にも環境にも優しい、究極のエコ建材と言われています。
コルクは、初めて収穫できるものをバージンコルク、その9年後に収穫できるものを再生コルク、3回目の収穫以降初めてコ
                      ルク栓に使用できる品質となった物をアマディアコルクと呼び
                      ます。

■樹皮の収穫

まずはコルクの収穫から始まります。コルクフローリングはポルトガルから輸入をしているので、現地に行って収穫の様子を見せて頂きました。ちなみに、ポルトガルはコルクの生産量世界第1位です。
コルクは5月下旬から8月上旬までが収穫の時期で、樹皮の収穫は一見すると簡単なように見えますが、樹木本体を傷つけてしまうとそこからはコルク樹皮が収穫できなくなってしまうため、収穫は熟練した職人さんでなければできません。

収穫を終えたコルクには収穫された西暦がわかるようにナンバリングされます。コルクの樹皮はこの後9年ほどで再び収穫できる厚さになります。広い森では1回の収穫で森のコルクすべてを収穫するのではなく、計画的にエリア分けすることで9年で1サイクルとなるようにして、毎年収穫を行なっています。
コルク樫の寿命は150~200年ですので若いうちに傷つけてしまうとその後長い間にわたって収穫できなくなります。きちんとした管理、収穫がされて初めて良質のコルクが生産できるの
                      です。

■樹皮の乾燥

収穫後、半年の間、きれいに並べて樹皮を十分に乾燥させます。コルク樹皮の隙間を乾いた空気が通ることで、加工時に必要の無い樹液などの成分が抜け、含水率が下がります。
空気が良く通るように並べ方にもコツがあるようです。コルク樹皮は捨てるところがありません。たとえ小さな樹皮でも有効に利用されます。乾燥したコルクは大きさやグレード別に選別され、工場への出荷を待ちます。

■工場にて加工

チップ状にしたコルクを工場で加工し、フローリングを作っていきます。サイズ、デザイン、色など、たくさんの種類がありますが、機械に任せられるところは機械に、仕上がりは人の目でしっかりと確認しています。
コルクというと、ボロボロとした素材感が印象的ですが、フローリングの表面にはスーパーセラミック塗装を施すことで、耐摩耗性を高めています。塗装に含まれる特殊セラミックは世界でダイヤモンドの次に硬い物質とされ、米国スペースシャトル
                      の防盾として使用されるほど傷に強いんですよ。
                      ※JASフローリング規格 耐摩耗A試験適合



ちなみに、コルク栓は昔は手作業で作っていたそうで、当時の作業台も見せて頂きました。現在は機械で簡単に丸いコルク栓を作ることができますが、機械化される以前は1つ1つを手作業で丸くしていたようです。「使われているコルク栓のグレードでそのワインの良し悪しがわかる」とのこと。ワインを選ぶ際の参考にしてみてはいかがでしょうか。

■コルクフローリングの完成

こうして、無事にコルクフローリングが完成しました!
コルク樹皮の細かな細胞により空気層を確保しているため断熱性能があり、空気層が衝撃を吸収するため、足や関節・腰への負担も軽減できるフローリングに仕上がりました。

熟練の職人さんが1枚ずつコルク樫の樹皮を取り、十分に乾燥させて作られるコルクフローリング。
床暖房や水回りにも使用でき、断熱性・衝撃吸収性にも優れた
                      フローリングは、たくさんの人とコルクの素材が持つ力により
                      生み出されていました。

■コルクフローリングができるまでのスポット写真

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■大和屋株式会社 建材部

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作成日:2021/07/29 取材記者:大和屋株式会社建材部 ちいさんぽ