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NPO・ボランティア

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特定非営利活動法人熊谷市ほたるを保護する会

熊谷市ほたるを保護する会

■地域のホタルを守るために

ホタル観賞の説明をうけています

 「熊谷市ほたるを保護する会」は、熊谷市江南地区で自然発生しているゲンジボタルの保護を中心に、地域住民が一体となり環境保全活動などを行っています。設立は今から5年前、観賞飼育や売却目的のために乱獲されていたのをきっかけに、ホタルの絶滅を防ぐために自治会で活動を始めたのが原点となります。
 ホタルと聞くと光を放ちながら飛んでいる姿を連想することが多いですが、実際にホタルが観られるのは6月。しかし、ホタルを保護するためには1年を通して活動を行わなければなりません。会員数も今では100人を超え、多くの人がホタルの保護のために協力しています。

 その活動が評価され、「第17回彩の国埼玉環境大賞」「第28回農村地域文化賞最優秀賞」を受賞。昨年5月にはNPO法人化しました。

■ホタルの生態系を守る

年間を通して環境保全に力を入れています

 全国各地にホタルに関する活動をしている団体はいくつもありますが、自然発生しているところは少ないです。有名なホタルの種類にゲンジボタルとヘイケボタルがありますが、ゲンジボタルは飼育ができず、見られるところは限られています。ホタルの寿命は1年で、そのうち9か月間を水中で過ごし、水中にいるときにしか餌を食べません。特にゲンジボタルはカワニナという貝しか食べず、とても繊細な生態をしています。

■地域でパトロール

地域でホタルを守っています

 カワニナはゲンジボタルが発生する為にはなくてはならない存在です。草木の手入れなどの水辺の環境保全はホタルだけでなくカワニナが生息するための環境保全でもあるのです。
 ホタルの保護活動にとって最大の課題は人間による乱獲です。人間がホタルに与える影響は大きく、ホタルの生態系が脅かされてしまいます。その対策として同法人では近隣住民の協力の下でパトロールを実施しています。

■ホタルを知ってもらうために

こどもたちにホタルについて教えています

 ホタルを保護する為には、ホタルについて知ってもらうことも大切です。同法人では小中学校での講演や、ホタル塾、ホタルガイドといった活動も行っています。これらの長期的な活動は熱心であることを印象付けるためにとても重要な役割を果たしています。
 毎年ホタルが光を放ちながら飛び交う時期には「ホタルまつり」を開催し、多くの人にホタルを知ってもらうための一大イベントが催されています。昨年の来場者は1万人を超え、今年は期間を設けて分散化、連日多くの来場者がホタルを観賞していたそうです。

■ホタルを観て感じたこと

ホタル祭りの様子です

 ホタルが飛び交う様子はとても幻想的でした。この期間はホタルの一生である1年のうち、たったの1週間しかないこと知り、一瞬の「美」に素晴らしさを感じることができる貴重な時間であることを感じました。ホタルの光は子孫を残すための求愛行動です。そのために近くの街灯もホタルのために、消しているという徹底ぶりでした。私たち人間は暗いと懐中電灯などの光に頼ってしまいますが、懐中電灯やカメラのフラッシュ、スマートフォンなどの人工的な光はホタルたちの邪魔をしてしまっていると痛感しました。多くの人にホタルの素晴らしさを知ってもらいたいと願うとともに、暗く静かな中で観賞してもらいたいと思います。

■特定非営利活動法人熊谷市ほたるを保護する会の詳細情報

所在地 熊谷市三本1927番地2
電話番号 048-536-1168
取材日 2016年6月9日(木)
担当 立正大学社会福祉学部3年 鈴野 菜奈子
立正大学社会福祉学部3年 篠塚 亮兵
北部地域振興センター 担当 N・Y

作成日:2016/07/25 取材記者:hokubunpo