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NPO・ボランティア

地域

特定非営利活動法人くまがやおもちゃ病院

学生による取材の様子

■くまがやおもちゃ病院の始まりと現在

副代表の新井さんとおもちゃの依頼者

特定非営利活動法人くまがやおもちゃ病院(長谷川泉 理事長)は、壊れたおもちゃの修理を行っている法人で、2018年から任意団体として活動を開始しました。
活動を始めたきっかけは、副理事長の新井さんがイオン熊谷にある地域子育て支援拠点「0・1・2・3さいくまっぺ広場」を訪れた際、代表の方からおもちゃを直してほしいという要望があったからだそうです。
最近はおもちゃドクターも増えたため、社会的な団体としての位置づけや、経費的な処理を明確にするために2024年からNPO法人として活動されています。

■活動について

おもちゃ病院開院中の様子

現在はイオン熊谷で月2回、ニットーモールで月1回開催しています。今年からは実験教室や工作教室も企画されています。
一日平均20件ほど修理を受け付けていらっしゃいます。多くのおもちゃが入院(預ける)に至っており、後日修理してお返しします。おもちゃの種類としては動くものや光るもの、音が出るものが多いそうです。来院される方は、子ども連れの若い世代から孫のためにと自宅に保管してあったものを持って来られるご高齢の方など幅広くいらっしゃるそうです。
くまっぺ広場の方からの要請だったため、初めはイオン熊谷での開催となりましたが、その後、ニットーモールの方からの依頼があり、2022年からは2箇所での開催という運びになったそ
                      うです。

■おもちゃドクターについて

修理の様子

くまがやおもちゃ病院では、現在16名のドクターが活躍しています。ドクターになるには、日本おもちゃ病院協会主催のおもちゃドクター養成講座を受講しなければなりません。ドクターになる方は、元技術者の方や定年退職後の社会貢献活動の意欲がある方など様々だそうですが、皆さんものづくり関係に関心があるという軸は変わらないと感じました。

■くまがやおもちゃ病院の今後

活動をしていく中で、「おもちゃは壊れても直して使用するという文化を根付かせたい」とおっしゃっていました。ものづくりに対する興味関心の低下している社会で「おもちゃの修理」や「工作教室、実験教室」及び「世代間の交流」などに関する事業を推進していきたいそうです。
また、様々な世代のものづくりの楽しみや科学への興味関心、思いやりの心を醸成し、次世代を担う子どもの育成をすることで持続可能な社会の実現に貢献していくことを目的として活動していきたいとのことです。
今後はおもちゃ病院の開院と合わせて、今年から始まった工作実験教室を継続していきたいそうです。さらに、後継者の育成や人材確保もしていきたいとのことでした。

■取材してみて

70年ほど前のロボット型のおもちゃ

ドクターの皆さんはおもちゃの構造や電池の話などをいきいきと話してくださり、それぞれがとてもものづくりが好きなのだということを感じました。
また、対応されている様子を見させていただいている中で、依頼に来た方に丁寧に説明されている様子があったのもとても印象に残っています。ただ直すだけでなく何が壊れた原因なのかをきちんと説明していて、ものづくりへの興味関心を高めたいという姿勢が伺えました。
たまたま取材に行った日に70年ほど前の歴史があるおもちゃの返却に立ち会うことができました。そのおもちゃの見た目もすごく素敵だったのですが、何より動いた瞬間はその場にいた全
                      員が心を奪われるくらい迫力があり、感動的でした。このような現場に立ち会えるのもおもちゃ病院のいいところだと感じました。
おもちゃは壊れたら捨てるという文化がある現代でおもちゃを直すということは、親と子や祖父母と孫を繋ぐということだと感じました。家におもちゃが眠っている方はぜひくまがやおもちゃ病院に来院してみてください!

■特定非営利活動法人くまがやおもちゃ病院のスポット写真

バックグランドや立場は関係なく、和気あいあいとしています。
おもちゃを修理する様子。内部の部品を細かくチェックします。
おもちゃを修理する様子。真剣な眼差しです。
持ち込まれたおもちゃ。これから入院です。
おもちゃを返却する際に修理内容を丁寧に説明していました。
最新の電池の話題で盛り上がっていました!

■特定非営利活動法人くまがやおもちゃ病院の詳細情報

法人所在地 埼玉県熊谷市別府2丁目203番地2
ホームページ 特定非営利活動法人くまがやおもちゃ病院
取材対応者 副理事長 新井 智
取材記事担当者 立正大学社会福祉学部1年 小野 慧

作成日:2024/10/30 取材記者:北部地域振興センター