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がん教育で検診受診率が7%も上がった!⇒埼玉・熊谷市で実証

■外部講師(がん経験者等)の話し聞き、親に検診勧める子供たち

児童生徒へのがん教育が来年4月から全国の小・中・高校で展開されます。
がん教育も目的(目指すもの)は、「がんを正しく知る」ということと、「健康と命の大切さを気づかせる」の2点ですが、いわゆる副次的効果として、子供が父母等に「がん検診を勧める」ということがあります。
埼玉県熊谷市でそれが実証されました。これは全国初の画期的報告です。

熊谷市のがん検診受診率

熊谷市は平成26年度からがん教育「生命(いのち)の授業」を市内の全中学校で実施してきました。今年度で3年目です。「生命の授業」は、NPO法人くまがやピンクリボンの会のがん経験者等3人が1組となり、学年単位で展開。希望があれば小学校でも実施しています。同会の栗原和江代表理事から「熊谷市のがん検診受診率があがりました」との報告が。なんと、国の推奨する5がんのいずれもが以下のように、がん教育実施年度から5~7ポイントもアップしているのです。

東大病院の中川恵一准教授は、自身が実践されているがん教育の現場で、アンケート調査を実施されていますが、その中に、がん教育受講の前後、さらに半年後の調査をされており、同アンケートでは受講後に89%の生徒が「家族にがん検診を受けるよう勧めようと思う」と回答、6か月後、実際に48%の生徒が「家族にがん検診を受けるよう勧めた」と答えています(2014年、がん対策推進協議会への提出資料)。
熊谷市の今回の数値は、それを裏付けたものと言えます。

がん教育は、原則的に教師がクラス単位で行う「がんの授業」と、医師やがん経験者等が学校に行って学年単位で行う「がん教育」の「二本立て」ですが、具体的なやり方は自治体の判断になります。がん教育の主たる目的に加え、世界的に低い日本のがん検診受診率アップにも大いに期待したいです。

≫平成28年度「生命の授業」開催校 日程表のPDFデータはこちらからどうぞ

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平成28年度
「生命の授業」開催校 日程表
熊谷市のがん検診受診率
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作成日:2016/09/17 取材記者:NPO法人くまがやピンクリボンの会