くまがやねっと情報局

くまがやねっと > くまがやねっと情報局 > 連載中 > 素敵なお家 > 【再掲載】パッシブハウスってどんな家? ~木質繊維断熱材編~

素敵なお家

暮らし

【再掲載】パッシブハウスってどんな家? ~木質繊維断熱材編~

2013年2月~2013年11月、連載で旧くまがやねっとに掲載された記事を、
ご好評のため再掲載しました。

今回は、パッシブハウスで使用される断熱材をご紹介します。
現場では屋根の断熱材設置工事が行われていました。

森の家「北欧」展示場で2月下旬から行われている、『断熱材』の取付工事の現場にお邪魔してきました。
展示場はブルーシートで覆われ、屋根の断熱材設置工事のため、まだ天井がありませんでした。
屋根板の上に断熱材を入れるための枠を新たに作り、木製繊維断熱材を隙間なく敷き詰めていく作業です。

■木質繊維断熱材

展示場の前に積んであるボード状の断熱材が『木質繊維断熱材』。木の繊維でできた自然素材の断熱材です。
ボードというより、ブロックのように厚さがありますね。
この断熱材は熱を蓄える、蓄熱性に優れているので、家の中の温度変化が緩やかになります。

今回、屋根部分に使われる断熱材の厚さは380㎜! 程の厚みになります。
(木質繊維断熱材の厚さは、建築するお宅の地域や、立地条件などによって様々に変わります)

■木質繊維断熱材の特徴

蓄 熱 性…断熱材自体が太陽熱を蓄えることで、寒さ・暑
       さを調整します。
吸 放 湿 性…木質特有の『調湿性』で断熱材自体が湿度を
       コントロール。結露の危険性を削減します。
遮 音 性…『吸音性』に優れ、外の車の音や室内のスリッ
       パ音など、効率的に遮断します。
気 密 性…断熱材同士がぴったりと組み合わさり、壁内に
       隙間を作りません。
体に優しい…化石燃料を使用していない自然素材で作られ
       ている為、体への影響は少量に抑えられます。
防 火 性…火に触れた表面が炭化することで、燃え広がり
       を防ぎます。
エ   コ…天然木材を使用しているので、自然に還すこと
       ができ、Co2の排出量も少なく環境に優しく
       なっています。


シロアリについて
木質繊維断熱材は自然素材を使用する為、防蟻処理剤を使用していません。しかし、断熱材にシロアリの好む成分を含まないようにする事で、シロアリの餌となる可能性は低くなっています。

■外張り断熱工法で熱のロスを削減

一般的な断熱工法には、柱など構造材の間に断熱材を充填する「充填断熱工法」と柱など構造材の周りを断熱材で覆う「外張り断熱工法」があります。
展示場では、断熱材で柱など構造材を覆う『外張り断熱工法』で改修を行うことで熱のロスを削減し気密性を高めています。
室内との温度差も少なくなりますので、壁内の結露の可能性も低くなります。



<気密性の重要さ>
気密性能が低いと、隙間から『強い隙間風』や『湿気』が侵入してしまいます。その反対に、室内の空気も外に逃げて行ってしまいます。
このような意図しない空気の出入りは、『計画換気』の効率が下がる原因となりますので、外気の影響を受けず、断熱効果を上げる為にも高い気密性能が重要になります。

■快適な暮らしへ

夏場は壁が湿度をコントロールすることで、カラッとした環境を維持できます。
冬場は日中の熱(太陽熱)を壁に蓄熱することで、急な温度変化を防ぎ、暖かい室内を維持します。
暑い熊谷の夏も、ムシムシしない部屋で心地よい生活が期待できます。

■パッシブハウスになるために

パッシブハウスをつくるためには「高断熱・高気密化」をはじめ、冷暖房により消費されるエネルギー量など、様々な基準があります。
基準をクリアするため、一軒一軒環境に合わせて設計します。もちろん断熱材の厚さも地域・立地条件によって変化します。
今回、森の家「北欧」展示場がパッシブハウス認定を得る為に必要な断熱材の厚さを計算した結果、壁に300mm、屋根に380m、基礎に100mmの厚さの断熱材を使用することになりました。
パッシブハウス認定を得るほどの高性能な家を求めないのであれば、断熱材はもう少し薄いものを使用することもできます。

■現場監督のつぶやき

「切った断熱材の端材に座った大工さんが『お尻が凄く暖かい』と言っていました。これはおそらく断熱材が体の熱を蓄えたからだと思います。その蓄熱性に優れた断熱材で包まれた家がどこまで快適になるのか、とても楽しみです」

■【再掲載】パッシブハウスってどんな家? ~木質繊維断熱材編~のスポット写真

屋根の断熱材工事が始まった現場。
まだ天井がありません!
作った枠に断熱材が隙間なく並べられています。
屋根部分に断熱材が入りました。
壁の断面構造見本
屋根も断熱材で隙間なく覆っていきます。
木質繊維断熱材の表面
木の繊維が見て取れる天然素材の断熱材です。

■【再掲載】パッシブハウスってどんな家? ~木質繊維断熱材編~の詳細情報

お問い合わせ 森の家展示場まで
TEL:048-527-8181
Mail:morinoie@morinoie.info
ホームページ 大和屋株式会社 住宅部HP
みんなでパッシブハウスをたてよう!
マティーナ・ファイラー (著, イラスト)
アレクサンドラ・フランケル (著)
もりみわ (翻訳)

出版社:いしずえ
価 格:3,456円
発売日:2014/12/26
言 語:日本語

作成日:2016/02/21 取材記者:くまがやねっと管理人