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妻沼聖天山
近世近代期の熊谷市の大工棟梁や彫刻師の手掛けた建物や彫刻を紹介してきましたが、まだまだ、名工と呼ぶべき人々がおります。その一人は林兵庫正清といい、妻沼に拠点を置いた大工棟梁林家の人物で幕府の作事方大棟梁の平内家とも関係が深いとされます。日光東照宮をはじめ幕府主導の建築物に関与しています。また、林家に連なる大工棟梁には三ヶ尻の内田清八もおり、市内の寺社建築を手掛けています。
妻沼といえば国宝建築となっている『妻沼聖天堂』がその代表的な作品です。建築は林兵庫正清と子息正信が主導し、彫刻は石原常八をはじめとする飯田家、小林家らの一門の彫刻師らが技を競っています。彩色は狩野派の絵師によるものです。林家はプロデューサーとして全体計画と各職人たち管理し指示しています。その後も林家をはじめ門弟たちや彫刻師らはチームを組みかのように三峯神社本殿・拝殿(秩父市)や箭弓神社本殿・拝殿(東松山市)、八宮神社本殿(比企郡小川町)などの建築や装飾彫刻の製作に加わっています。名工他の技の冴えを鑑賞するのも良いかと思います。参考図書は次のような書籍があります。
熊谷市2016『熊谷市史 別編2 妻沼聖天山の彫刻」
若林 純2011『妻沼聖天山 歓喜院聖天堂―彫刻と彩色の美-」平凡社刊
阿部修治2011『甦る「聖天山本殿」と上州彫刻師たちの足跡」さきたま出版会
住所 | 熊谷市千代329番地 |
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開館時間 | 午前9時~午後5時 |
休館日 | 土曜日・日曜日・祝日・年末年始 |
お問い合わせ | 048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター) |
ホームページ | 江南文化センター「熊谷デジタルミュージアム」へはこちらからどうぞ。 |
作成日:2021/04/29 取材記者:江南文化財センター