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飯能焼のデザイナーであつた熊谷市玉井出身の腰塚小四郎について「熊谷出身の飯能焼のデザイナー 1、2、3」で紹介しました。飯能焼は大消費地江戸を販路として造られた日用の品を主に生産していましたから、皿や鍋などは壊れて廃棄されることが多く、東京都内の発掘調査ではたまに出土品として見つかることがあります。
写真は市域の千代地区ゴルフ場開発に伴って発掘調査を行った西原遺跡の出土品にまぎれていた飯能焼の「行平」の破片です。行平の蓋の一部ですが、平たく伸びた縁とかえりの形と外面にトビカンナによる削り痕があり、蓋天井には淡緑色の灰釉がかけられています。これらの特徴は図のような原形をしていました。西原遺跡では縄文時代から古代の集落跡が所在し、江戸時代から明治時代に屋敷があったかは不明ですが、山仕事の作業小屋的なものはあったかもしれません。飯能焼の行平がもたらされた理由の一つになるでしょうか。
ちなみに千代地区の山林約170町歩は明治期(明治29年)に「千代保護森林組合」を結成し里山の山林資源の保全と管理を始めています。全域が平たんな里山から、薪炭・堆肥となる落葉・山菜・材木の盗難などを防ぐために管理人と事務所が置かれたいといいます。
里山資源の保護活動を定めた早い事例になります。
【参考文献】
飯能市立博物館2001〈特別展〉黎明のとき―飯能焼・原窯からの発信―
江南町史資料編4「近代・現代」 江南町史 下巻
過日、埼玉県立さきたま史跡の博物館へ上記の企画展を観覧してきました。盾持ち人埴輪は古墳の被葬者を守護するため造られ建てられました。盾を表現した埴輪や「戈(か)」という鉾に鉤状の枝を付けた長柄の武器を持つ例があり、また威嚇するように目や口を見開いていたり、端正で静謐な面もちを感じさせる様々な表情を見せています。この企画展では県内の主な盾持ち人が集まっています。当市センターからも「女塚古墳」、「権現坂埴輪窯跡」出土の盾持ち人埴輪4名が出張しています。他の盾持ち人埴輪と比較してみるのも楽しいかと思います。
※企画展「盾持人埴輪の世界」は2020年9月12日(土)~2020年11月23日(月・祝)開催。
現在、展示は終了いたしました。
住所 | 熊谷市千代329番地 |
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開館時間 | 午前9時~午後5時 |
休館日 | 土曜日・日曜日・祝日・年末年始 |
お問い合わせ | 048-536-5062(熊谷市立江南文化財センター) |
ホームページ | 江南文化センター「熊谷デジタルミュージアム」へはこちらからどうぞ。 |
作成日:2021/11/07 取材記者:江南文化財センター