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古くから日本人に親しまれる杉。
第10回は、さらさらとした肌触りとやわらかさが人気の
杉フローリングの特徴についてご紹介します。
「杉」という名は「まっすぐ」に生えることに由来しています。
素直に真っすぐ育つため、梁や柱などの角材/床や天井などに使う板材を挽くのに効率が良い、強くて軽い、豊富で安価などの利点を多く持つため、昔から日本の家や床、壁などにたくさん使われていました。
① やわらかさ
木材の方さの基準の一つに、気乾比重(きかんひじゅう)というものがあります。これは木材を乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値で、数値が大きいほど重い木材、小さいほど軽い木材ということを示します。
左図のように、杉は比重が低く、空気を含んでいる分軽く、やわらかい木材です。実際に触るとやわらかさ、さらさらとした肌触りを感じることができます。
やわらかい分、硬い木材と比べると、傷やへこみはつきやすいです。
② あたたかさ
空気を多く含んでいるため、あたたかさも感じることができます。
素足で歩いても気持ちがよく、特に冬には他のフローリングと比べてもひんやりとした冷たさは感じにくいです。
【環境】
杉の天然林の分布は、青森県から屋久島まで広い範囲で見られますが、杉は水分を好む植物で、土壌水分ばかりでなく、空中湿度にも深くかかわり、霧が立つところで良く育つと言われています。
県土の76%を森林が占める徳島県には徳島藩の時代、御林という藩有林があり、明治初期には那賀川流域の旧木頭村には広大な天然杉の美林が残っていたといいます。那賀郡全域において育てられた杉は、「木頭杉(きとうすぎ)」と呼ばれ、1980年代からは「徳島杉」という名のブランド材として親しまれるよ
うになりました。
【赤み】
木の中心にある「心材」は、生命活動を停止している部分です。木は何十年もの間、何十メートルもある自分の体を支えながら生き続けますが、全ての細胞(心材・辺材)が活動していては、根からの十分な量の水分を吸収することができません。そこで、ある程度年数の経った細胞(心材)は活動を停止し、眠りにつくのです。
眠りについた赤い部分の細胞(心材)は、生命活動をしなくなるので、そのままではシロアリやその他の害虫のエサになってしまう可能性があります。そこで、何年もかけて、自分を守るための成分を蓄えて眠りにつきます。(杉の心材が赤い理由
は、この成分を蓄えている証です)そして伐採されてからも、
この部分には成分が残るため、水やシロアリに対して強い部
分となるのです。
【赤みをきれいに残す乾燥方法】
水やシロアリに強い成分の詰まった心材の赤み部分ですが、この部分を美しく残すためには乾燥方法にこだわる必要があります。まずは木を伐採した後、屋外で自然に乾燥をさせます。期間は時期にもよりますが、おおむね4ヶ月~5ヶ月程度です。専用の板干し場で乾燥し、木に含まれる水分の量「含水率」を25%まで下げていきます。45℃の低温で1週間程度、じっくりと乾燥させていくことで、含水率を8%±2%まで落としていきます。低温でゆっくり乾燥することで、きれいな赤みを残すことができるようになります。
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床暖房対応 杉フローリングの特徴について
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作成日:2021/11/04 取材記者:大和屋株式会社建材部 ちいさんぽ