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ガラス工房便り

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第5回 作品紹介「春のかくれんぼ」 すまいる保育園 ガラスパネル

笑顔を増やすを理念とする社会福祉法人あゆみの会の5番目のすまいる保育園が昨年4月、埼玉県ふじみの市に開園。その正面玄関のガラスパネル製作の仕事をいただきました。
子どもたちが毎日くぐる入り口を飾るパネルです。これはもう力が入るというものです。
テーマは園長先生と打合せを重ねて「春の野原」となりました。



「春の野原」

(サイズ:1450mm × 330mm)

こちらから拡大したパネルをご覧いただけます。

どこから見ても春、誰が見ても春。おもわず笑みがこぼれるような、生き物たちの命の息づかいが聞こえくる春。ぽかぽかした陽気、柔らかい風が吹き渡り、春のにおいを運んでくる。野原は、保育園のシンボルマークの四葉のクローバー、そしてレンゲで埋め尽くされ、たんぽぽの綿毛は春風に乗って飛び回る。ああ、わくわくする春!心弾ませる春!こうした思いをいっぱいに詰め込みました。生き物たちは隠し絵のように春の野原に散りばめました。

さあ、かくれんぼしているのはだれかな?ミツバチ、テントウムシ、アオハナムグリ。モンキチョウとタンポポの綿毛はプラチナを焼き付けたガラスを使って暗くなると虹色に見えます。トカゲ、スズメ、ダンゴムシ…その数、全部で18種類20匹。ただし、大きさや形はデフォルメしましたが、季節には注意し、春の生き物だけにして、夏のセミやクワガタ、秋のトンボは登場しません。さらに、ひそかに「すまいる」の文字も埋め込みました。子どもたちが気づいてくれるといいな。

技法についても簡単にふれておきます。
まず透明なガラス板に曇りガラスの模様を施します。
段取りは透明にしたい部分をテープでマスキングし(下の画像の黒い部分)、そして砂を吹き付けます(サンドブラスト技法)。



つぎにマスキングを剥がし、その上に載せるパーツを作ります。
パーツは形ごとに削り出してから、ふっくらした印象になるよう電気炉でエッジを溶かして作ります(フュージング技法)。
これを特殊な接着剤で貼り付けていきます。単純な作業ながら、パーツ数が1,188個ともなると根気あるのみ寝不足、寝不足、徹夜の日々をくりかえしてようやく完成。
竣工式典に出席し、設置された作品を初めて見た瞬間、我ながらその綺麗さに感動!それまでの苦労が一気に吹き飛びました。

■第5回 作品紹介「春のかくれんぼ」 すまいる保育園 ガラスパネルのスポット写真

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作成日:2021/09/13 取材記者:各務ガラス工房/各務ひとみ