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熊谷人物伝

歴史 地域

第173回 熊谷うちわ祭大総代 富田 満さん

今回ご紹介するのは、
熊谷うちわ祭 令和3年年番町荒川区 大総代 富田 満(とみた みつる)さんです。

■プロフィール

1959年  熊谷市生まれ。
     熊谷市立南小学校、熊谷市立荒川中学校
     埼玉県立北本高等学校卒業
     調理師専門学校を経て、
     東京都内の銀行系の料亭で板前として研鑽を積み、
     アメリカヒューストンで2年間料理人生活を送る
1989年  熊谷に戻り、家業の熊谷中央不動産(株)就職。
     後に、同社代表取締役社長就任。


熊谷うちわ祭には幼少期から荒川区の一員として参加し、副大総代を2回経験した後、2020年(令和2年)に熊谷うちわ祭大総代に就任。
2020年の熊谷うちわ祭は新型コロナウイルス感染症の影響で神事のみの自粛縮小開催となり、2021年(令和3年)も引き続き大総代を担う。

■大総代 富田満さんにお話しを伺いました

Q:2021年の熊谷うちわ祭について、昨年同様に自粛縮小が発表されました。2年連続での自粛縮小は苦渋の決断だったのではないでしょうか。
昨年は、3月に非常事態宣言が発令された時点で「自粛」という判断をいたしました。本年は、コロナ禍で自粛生活をしている熊谷の人々に、何とか元気になってもらおうと、星川通りを交通規制し、12ヶ町の山車屋台を駐留し、お囃子を行い、見物客の皆様には歩いて見ていただくという「山車屋台揃い」という企画をしていました。ぎりぎりまで熊谷うちわ祭を執り行う予定で頑張ったのですが、連休明けの決定時期に新型コロナウイルス感染者数が拡大したため、開催はやはり難しいという事になり、神事のみを執り行うという残念な決断をさせていただきました。

Q:任期についても、2年という長い期間は異例とのことですが、期間中に苦労した点や印象深い出来事などありましたら教えてください。
年番町を2年連続でお受けするのは、これまでの熊谷うちわ祭で初めてと聞いております。一昨年に年番札をお預かりしてから、いつもお祭の事を考えております。熊谷市の一番の大きな行事ですし、多くの方々のご協力を得なければ出来ない事です。例年とは違う形のお祭りを行う企画でしたので、準備は大丈夫か、手落ちはないかと、いろいろと心配事がありました。

また、なんといっても苦労した点は、実際に執り行なえるか、行なえないかの判断でした。「大丈夫だ。是非、執り行って欲しい。」「こんな状況で執り行なえるのか。」等々いろんな意見がありました。新聞やニュースで日々の感染状況を毎日注視して落ち込んだりもしていました。

Q:八坂神社宮司より「神威洽六合しんいりくごうにあまねし」という言葉を賜ったという事ですが、どういった意味でしょうか。
八坂神社宮司様より「神威洽六合」というお言葉を授かりました。人々へ神様の威厳(お力)が、四方の東西南北、上下の天地へすべてに行き渡るという意味だそうです。八坂神社は「疫病退散」を本意にしている神社です。今のこの時期にぴったりの言葉だと思います。



Q:今年の熊谷うちわ祭では、神事に重きを置くとのことですが、行宮と祇園柱を設置するとお聞きしました。それにより、執り行われる神事が昨年よりも増えるということもあるのでしょうか。また、行宮を設置するということは、期間中、行宮へ参拝することはできるのでしょうか。
はい。今年は例年行われている「渡御祭」「途上奉幣祭」「行宮祭」「還御祭」の4つの神事を(巡行祭を除く)すべて行います。昨年は本宮で限られた人数のみで神事を執り行いましたが、今年は例年と同じように行宮(お仮屋)と祇園柱を設置致し、御神札と疫神除のうちわをお配りいたします。参拝の際には密にならないようにご協力をいただければと思います。
祭とは、本来神事が主であり、賑やかな山車屋台お囃子は「付け祭り」と言って加えていったものです。本年は寂しくなりますが、神事を厳粛に執り行い来年に繋げて行きたいと思います。

2019年7月21日撮影

Q:昨年、「熊谷うちわ祭と花火大会がないと夏が終わった気がしない!」というお話をよく聞きました。熊谷市民の方にとっての熊谷うちわ祭はやはり特別なものということなのでしょうか。
私自身そうですが、やはりうちわ祭が行われないと「熊谷の夏」が始まった気が致しません。梅雨明けもこのタイミングですし、子供のころは通信簿を放り投げ屋台を曳いて夏休みを迎えたものです。ですから熊谷人にとっては、祭が始まると同時に夏が来たという特別な感覚だと思います。

Q:新型コロナウイルス感染症によって仕事やイベント、生活様式も変わってきました。今後、祭のあり方も変わっていくこともあるかと思いますが、熊谷うちわ祭を担う次の世代へ向けて一言いただけたらと思います。
今現在、町内の方々にご協力を頂き熊谷うちわ祭を執り行っていますが、町内の人口減、高齢化など参加者等の人的な問題、また、寄付等の財政的な問題、他、いろんな課題があります。お祭り離れが心配です。
歴史ある熊谷うちわ祭を継承し、次世代に繋げていかなければなりません。うちわ祭は、熊谷市、この地域の財産だと思っています。多くの方々の協力を得て何百年も続く、より魅力ある「熊谷うちわ祭」を次の世代へ継承してもらえればと存じます。

■今年は行宮(お仮屋)が設置されます。

2021年の熊谷うちわ祭では、行宮と祇園柱が7月20日~22日、星川お祭り広場前に設置され、御神輿が安置されます。
熊谷の八坂神社は、京都の八坂神社の末社にあたり「熊谷うちわ祭」では疫病退散、五穀豊穣、商売繁盛が祈願されます。
行宮に参拝された方に「疫病除けの御神札」と「疫神除のうちわ」がいただけますので密を避けてのご参拝ください。
また、熊谷うちわ祭限定「御朱印」(書置き・300円)も行宮で領布します。

【行宮参拝時間】
 7月20日 12:00〜19:00
 7月21日 9:00〜19:00
 7月22日 9:00〜17:30(10:30~12:00頃まで  行宮祭のため参拝はお控えください)

■第173回 熊谷うちわ祭大総代 富田 満さんのスポット写真

八坂神社
【2020年7月20日撮影】
関係者のみで行われた神事
【2020年7月20日撮影】
疫病除けの御神札
【2020年7月20日撮影】
神輿渡御
【2019年7月20日撮影】
渡御着輿祭
【2019年7月20日撮影】
初叩き合い
【2019年7月20日撮影】
巡行祭出発式
【2019年7月21日撮影】
巡行祭
【2019年7月21日撮影】
21日夜 八木橋前たたき合い
【2019年7月21日撮影】
2019年 年番送りの様子
【富田様提供 2019年7月22日】
還御着輿祭
【2019年7月23日撮影】
うちわ祭期間限定の御朱印 300円と 御朱印帳 1,500円

■第173回 熊谷うちわ祭大総代 富田 満さんの詳細情報

ホームページ 関東一の祇園 熊谷うちわ祭 公式ホームページはこちらから

作成日:2021/07/01 取材記者:なべさん