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熊谷人物伝

歴史 地域

第175回 熊谷うちわ祭 大総代 八木橋宏貴さん

今回ご紹介するのは、
熊谷うちわ祭 令和5年年番町 仲町区 大総代 八木橋宏貴(やぎはしひろたか)さんです。

■プロフィール

1973年 熊谷市に生まれる。
2002年 4月 株式会社八木橋に入社
2010年11月 株式会社八木橋 代表取締役社長
2014年 7月 熊谷うちわ祭大総代就任

■仲町区の矜持と本分

2020年3月の最初の流行に端を発したコロナ禍は、長らく我々の社会の隅々まで未曾有の試練を突きつけてきました。「うちわ祭」もその例外にはなく、2019年夏を最後に"あの熱気と喧騒"は遠い過去の記憶のものとなりつつあります。この間、中止と縮小を余儀なくされながらも、祭りの存続をかけて出来うる限りの催行に尽力された年番区、荒川区ならびに鎌倉区のご辛苦いかばかりであったことと拝察申し上げます。
こうした状況下、コロナ禍で4年目となる「うちわ祭」の年番を仲町区が拝命しました。平時の社会に近づくことは予測されるものの、4年前の夏とはあらゆるものが変容し、これまでの断絶や変化を乗り越えて"あの熱気と喧騒"を取り戻すことは容易
            ならざる道程になろうとの覚悟はしております。
「慎始敬終(しんしけいしゅう)」のもと、殿(しんがり)たる仲町区の本分を全うし、従来の大祭の姿に戻る道筋を示すべく最善を尽くしてまいります。
どうか、皆さまのご協力とお力添えを衷心よりお願い申し上げます。

■大総代 八木橋宏貴さんにお話しを伺いました

Q:2度目の大総代就任おめでとうございます。
今年は新型コロナウイルスの規制解除後、最初の「うちわ祭」ということで皆さんの期待も高まっていることと思います。コロナウイルスの規制解除を機に、うちわ祭で執り行われる神事や付け祭について、どこまで再開するのか判断に迷われたのではないでしょうか。

5類引き下げとはいえ、第9波の懸念や4年前の夏とはあらゆるものが変容した社会情勢の中で、何がどこまでできるのか、すべきなのか。今回の感染症によって様々な形でご苦労された方々への配慮と、地域の祭り事の存在意義や開催大義といった両側面を鑑みる中で、催事内容の一部変更と簡略化をもって催行させていただく運びとなりました。コロナ禍の昨年も神事はしっかり催行しており、交通規制や露天商出店、全町行事の内容など、いわゆる付け祭の内容に腐心しました。

Q:前回、大総代を務められてから9年たちましたが、祭を取り仕切る「大総代」としてのお気持ちに変化はありましたでしょうか。
歳を取ったせいか、リスクとマイナス面ばかりが目に留まり、今回は不安しかありません。何をやるにも、若さという突っ走れる勢いは必要かもしれません。ただ、その分、少しは回りを見られているということかもしれませんが…

Q:今年のうちわ祭の見どころを教えてください。
艱難辛苦を乗り越え、4年ぶりの通常開催となります。初日夜「駅前初叩き合い」、中日夕刻「巡行祭~全町叩き合い」、末日夜「曳っかわせ叩き合い」と、各日とも魅力を凝縮してお伝えします。12カ町の誇る山車屋台のダイナミックな巡行や勇壮かつ繊細なお囃子をお楽しみいただければ幸いです。3日間、皆さまのご理解ご協力をお願い申し上げます。


20日(木)18時30分~【駅前初叩き合い】JR熊谷駅北口駅前ロータリー
21日(金)17時30分~【巡行祭】鎌倉町交差点(清祓いの儀)→行宮(お宮参り)
                →筑波交差点(19時15分)
21日(金)19時15分~【全町叩き合い】筑波交差点→鎌倉町交差点(20時20分、20時40分解散)
22日(土)19時00分~【曳っ合せ叩き合い】お祭り広場(年番送り)

Q:例年、7月22日の昼間に行われていた巡行祭が、夕方に変更となりましたが、暑さ対策の一環でしょうか。
熱中症対策を主とした複合的な要因によるものです。4年のブランクに物価資源の高騰や警備体制の強化が重なる中で、従来の開催内容に一気に戻すのは難しいと判断しました。従来の大祭に戻る過渡期の1年で、交通規制の短縮に併せて出来ることを考えたとき、9年前の前回大総代の時から既に課題となっていた熱中症対策の一歩踏み込んだ取り組みでした。

Q:最後に、うちわ祭にご来場いただく皆様に一言いただいてもよろしいでしょうか。
うちわ祭は、12カ町の各町総代、組頭、熊谷祇園会の祭関係者をはじめとして、警察当局、熊谷市をはじめとする関係行政、JR、秩父鉄道をはじめとする輸送機関、NTT、東京ガスをはじめとするインフラ機関、30社のスポンサー企業様、各種ボランティア団体様、熊谷街商組合など大変多くの皆さまの善意によって成り立っています。熊谷市の誇る県内有数規模の夏祭りです。適切な感染症ならびに熱中症対策をされながら、是非とも来街いただければ幸いです。

■うちわ祭について

2022年7日21日撮影/巡行祭

平成24年に熊谷市指定無形民俗文化財に指定され、関東一の祇園と謳われる『熊谷うちわ祭』。
熊谷の八坂神社は京都の八坂神社の末社にあたり、毎年7月20日・21日・22日に八坂神社の例大祭が執行されます。
熊谷うちわ祭の3日間は、12台の山車・屋台が市内を練り歩き、疫病退散、五穀豊穣、商売繁盛を祈願します。
うちわ祭を仕切る最高責任者である大総代は、第壱本町区、第弐本町区、筑波区、銀座区、彌生町区、荒川区、鎌倉区、仲町区の8ヶ町が持ち回りで『年番』を受け持つ建制順で、その年の『年番』となった町内から選ばれます。


・詳しくは『関東一の祇園 熊谷うちわ祭』公式HPよりご覧ください。
 ※『うちわ祭』期間中の交通規制略図もご覧になれます。

■熊谷うちわ祭 2023年の見どころ

【7月20日】
4年ぶり! 熊谷駅前の初叩き合い開催! 18時30分~ 

(初叩き合い/2018年撮影)


熊谷駅北口のロータリーに山車・屋台12台が並び、曳き合わせ叩き合いが行われる「初叩き合い」。
年番区の仲町を中心に山車・屋台が一列に並ぶ姿は圧巻です。
※今 年は熊谷駅東口(ティアラ口)ロータリーでの叩き合いは行われません。

2019年撮影

白丁姿の鳶職が担いで神輿渡御を行います!
                   6時~10時45分予定

コロナ禍の間、台車でおこなわれていた神輿渡御ですが、今年は、白丁の鳶職が担いで渡御します。
6時に本宮で渡御発輿祭の後、本宮から街を一周(10.5㎞)して行宮(お仮屋)へ渡御しながら、東西南北を清める途上奉幣祭の神事を執り行い
、神輿渡御は10時30分頃に市役所前通りへ、行宮で着輿祭が執り行われ神輿が安置されます。

【7月21日】
巡行祭が夕方の開催となります! 17時30分~
例年、21日の13時から執り行われていた「巡行祭」が、今年は17時30分に時間変更となり、清祓いの儀が執り行われた後、17時45分から巡行が始まります。
提灯やぼんぼりに灯りがともり、夕暮れの中を巡行する山車・屋台を見ることができるのではないでしょうか。
巡行区間は鎌倉交差点から筑波(駅入り口)交差点までとなりますのでご注意ください。
※国道17号の交通規制は16時~21時までです。お間違えなく!

2019年撮影

全町曳き合わせ叩き合い 19時15分、20時20分
巡行祭の後、筑波交差点(熊谷駅入口)、八木橋前(鎌倉交差点)の2カ所で全町叩き合いが行われます。
20時20分の八木橋前での曳き合わせ叩き合いは、交差点内が一杯になるほどのお客様が来場する叩き合いです。

【7月22日】
曳っ合せ叩き合い(年番送り) 19時00分~
最終日の曳っ合せ叩き合いといえば、年番町区から次年番町区へ年番札を渡す「年番送り」(19時45分頃)は必見です!
12台の山車・屋台がお祭り広場を囲むように並び、中央のステージ周辺では纏振りや木遣り奉納の後、年番札が次年度の年番町区大総代に送られます。

■第175回 熊谷うちわ祭 大総代 八木橋宏貴さんのスポット写真

2022年7月22日撮影 年番送り
2022年7月22日撮影 年番送り
2022年7月21日撮影 巡行祭
2022年7月21日撮影 巡行祭
2022年7月22日撮影
夕陽を背にした山車は風情があります。
2019年撮影/八木橋前叩き合い

作成日:2023/07/01 取材記者:なべさん